第１５３話 ページ15
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「あー煎餅食べたいのぉ…」
仕事もないからぶらぶらと行く宛もなく廊下を歩いている｡
センゴクめ…あんなに怒鳴らなくてもいいじゃないか…
本当に胃に穴空くぞ⬅
「キャンキャン！！」
何処からか犬の鳴き声がする｡
辺りを見渡すと､Aと一緒にいるケルベロスがわしに向かって走ってきた｡
わしのコートを懸命に引っ張り､何かを訴えているようだった｡
「なんじゃ､どうした｡Aは何処にいるんじゃ？」
「キャン！！」
着いていけば良いのか？
わしはケルベロスに着いていくことにした｡
「なっ！？A！！」
地下の訓練場で､倒れていたのはA本人｡
苦しそうに息をし､尋常じゃないほど汗をかいている｡
「！！熱が…！」
額に手を当てれば､熱くなっていた｡
Aを抱え､医務室に急いだ｡
「疲労と､ストレスですね｡かなり体に溜まっていたようです｡」
熱の原因はそれでしょうと､医師は言った｡
Aに目を向ければ､まだ苦しそうだった｡
「私はセンゴク元師に報告に行って参ります｡彼女が目を覚ましたら､薬を飲ませてもらってもよろしいでしょうか？」
「あぁ､分かった｡」
「では､よろしくお願いします｡」
医師はそう言うと､カルテを持って医務室から出ていった｡
近くにあった椅子に腰をおろし､額に当ててあるタオルを､新しいのに交換する｡
Aの額からは､白い一本の角｡
鬼人とは､やはり人間とは少し違うのだということを､改めて実感する｡
そういえば､アンも幼い頃､よく風邪を引いていたのぉ｡
………ダメだ｡思い出すのはやめるんじゃ｡
アンは死んだ｡
もうここにはいないんじゃ｡
ふとAを見ると､首もとにも汗をかいていたので､拭いてやろうと､タオルを取りに椅子から立ち上がる｡
すると小さくだが､クンッと服が引っ張られる感覚｡
振り返ると､掴んでいたのはA…ではなくて
「アン……？」
金色の髪に､黒い瞳｡
愛していて､今でも忘れることが出来ない､もう一人の孫の姿｡
「おじ…いちゃ……ん……」
消えそうな､掠れた声でわしを呼ぶ｡
「行か……ないで……一人に…しないで……」
涙を流しながら､訴えてくる｡
わしは直ぐに駆け寄り､手を握る｡
「アン…！側にいる､離れたりなんか絶対にせん！！もうお前から離れん…！！」
たとえそれが､夢や幻だとしても───
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リツ(プロフ) - 酒恋女さん» そんなにですか！！ご愛読ありがとうございます！この小説を読んでくれるってだけで嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月22日 7時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女 - リツさん！！！！！！！すっごく感動しました！！！！もう"ひまわりな君へ"を読むとき、片手からティッシュが離れませんでした！！！！！！！これからも更新を楽しみにしています！アンとえと！！！！頑張れ！！！！ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 三村友里亜さん» 嬉しいお言葉！励みになります！ありがとうございます､頑張ります！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
三村友里亜(プロフ) - 毎回楽しんで読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - miチョコさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月22日 7時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ | 作成日時：2018年1月13日 23時
