【ONE PIECE】ひまわりな君へ (ページ37)

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第３５話ページ37

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「っ……い､痛い……」

目が覚めたら何故か首の後ろが痛かった｡

寝違えた?⬅

あー…なんで寝てんだろ?

確か大きな男の人に捕まってから……記憶がない

微かに消毒液のような匂いがする｡

……懐かしい匂いだな…

よくミカお姉ちゃんと医学の勉強してたっけ…

思い出したら鼻の奥がつんとする｡

突然､ガチャリと扉が開いた｡

「ん? 起きたかい｡体調はどうだい?」

入ってきたのは白銀の髪の綺麗な人｡

「……」

私は何も答えない｡

「まあ､そう警戒しなさんな｡私達はあんたを襲おうなんて考えてないよ｡」

「……海軍じゃないの…?」

私はじっと相手の目を見つめる｡

「海軍? 冗談じゃないよ｡私達をあんなへっぽこと一緒にしないでほしいね｡私達は海賊だよ｡」

海賊だったんだ…

「起きたとき､随分と暴れてくれたそうじゃないか｡クルー達がバカでかい声で叫んでたよ｡」

「……? 私そこまで暴れてたんですか?」

「覚えてないのかい?あんた､親父さんに捕まったとき､鬼みたいな姿になって暴れたんだよ?」

鬼……?

“人じゃなくなるよ”

ああ､あれはそういう意味だったんだ｡

私は自分の手を見つめる｡

今は普通に人の手｡

もう化け物になっちゃったんだ……

「歩けるかい? なら親父さんの所へ行こう｡目が覚めたら連れてくるように言われてんだ｡」

私は少し間をおいて､こくりと頷くとベッドを降り､おぼつかない足どりで女の人の後をついていった｡

外に出れば､いろんな人がいた｡

ジロジロと珍しいものを見るような目で見てくる｡

私は居心地が悪くて､部屋に着くまで下を向いていた｡

「親父さん､連れて来たよ｡」

「グララララ｡目覚めたか小娘ェ…」

大きな男の人は独特の笑い声をあげて私を見た｡

ビクッとして､少しだけ女の人の後ろに隠れる｡

「そんな怖がんなよぃ｡」

声の主を探すと､大きな男の人の隣にいる､パイナップルみたいな髪の人だった｡

確か私が殴りかかった人だ｡

「あ…あの時は､その…殴って､ごめんなさぃ…」

ペコリと頭を下げる｡

その人は､驚いた顔をして固まっていたが､ふわりと笑い

「いいってことよぃ｡」

と言ってくれた｡

あ…この人いい人……かも｡

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