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今日のなな湖さんは!優秀を極めてるぞ!!
自分でそう言ってしまいたくなるほど仕事が順調で、家で料理を用意して待っているであろう彼女のことを思い浮かべてまた一つ笑った。
「これもよろしくね」
「…勘弁してください」
嘘だよ、彼女の誕生日なんだろ?今日は早く上がりなよ、と事情を知っている同僚から声を掛けられる。どうやら俺が飲み会で酔っ払っている時に彼女のことを話してしまったらしい。
差し入れと言われデスクにエナジードリンクが置かれ、また作業を再開する。今日だけは遅れるわけにはいかない。
17時。きれいさっぱりなくなっているノルマ。愛しい彼女を思う心とエナジードリンクのおかげで定時で帰ることが出来る。
そっとデスクを離れ小さめの声でお疲れ様でしたと告げ会社を出て、電車に揺られて俺の家の最寄り駅へ。そこから歩いて3分もしないような場所にある花屋に向かい、予約しておいた花束を受け取って彼女が待っているであろう家に急ぐ。勿論花束は紙袋に隠して、震えるスマホを片手に足取りは軽かった。
「ただいま!」
ばん!と扉を勢いよく開けて、素早く閉めて鍵をかけて。とてとてと少し抜けたところのある、愛しい彼女が走ってくる音がする。
「ななくんおかえり!おつかれさま!」
「A!」
そのまま抱きついてくる彼女を受け止めて、頭を撫でる。決して身長が高い方とは言えない俺ではあるけど、それでも俺より10センチ以上は低いであろう彼女やからすぐに撫でられる位置に頭が来る。髪の毛サラサラやなとかそんなことを考えていると、彼女の体温が離れる。
「ご飯出来たところだから!冷めちゃうから着替えてきて!」
部屋綺麗にしたからびっくりすると思うよ!と自信気な彼女に促され、リビングを通って自室に向かう。ちらっと見たリビングもかなり片付いていた。
勿論、自室も家を出た時とは違ってすっかり綺麗になっていた。……見つかるとマズイもんは隠しといて正解やったな…。
スーツを脱いで着替え、花束を置いて食卓に向かう。俺が好きやって言ったり、美味しいって言ったことのある料理ばっかりが並んだテーブルに、向かい側に座る彼女。
「誕生日おめでとう、ななくん」
「Aもな」
へへ、と嬉しそうに笑った彼女に愛しさが止まらなくて。
「ごめん、先にプレゼント渡さして」
ご飯を食べるより先に俺のものにしてしまいたくなって、困惑する彼女の手をひいて自室へと足を踏み入れた。
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レーニャン - やっぱなな湖さん好こ。高田村は皆好こ。影村も全員好こ。 (2021年10月25日 1時) (レス) id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
黄金糖(プロフ) - こむぎ@チームこーくwさん» コメント、評価ありがとうございます!鳥さんいいですよね´`* (2018年9月26日 2時) (レス) id: 4cc7d49c48 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ@チームこーくw - とりっぴぃさん最高かよおおおおおおおおおお!!! 神ですね。評価します。 (2018年9月15日 16時) (レス) id: fce3d8ed6e (このIDを非表示/違反報告)
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