花束を貴女に / nnc ページ1
6月下旬。俺と彼女の誕生日はざっくりと言うとその辺に位置する。付き合ってからは毎年2人でちょっと小洒落たレストランに行って食事したりなんかするんやけど、今年は別。…毎年って言っても付き合い始めて2年ちょっとやから3回目やけど。
今年は愛しの彼女が手料理を振舞ってくれるということで、所謂おうちデートをすることになった。
場所はななくんのおうちどうせ散らかってるでしょ、片付けもしておくからという彼女の気遣いで俺の家に。彼女の家の匂い好きやからそっちが良かったなぁと言ってみたけど、この機会に一回片付けとかないとななくんの家ゴミ屋敷になっちゃうよと押しに負けた。でもなんか、家に帰ったら彼女が居るって考えたら同棲生活みたいやなとか、結婚したら当たり前になるんかなって思ってかなり浮かれていた。
6月25日。俺の誕生日と彼女の誕生日の間の日に、俺と彼女のお誕生日会をする。
そして誕生日と言えば、プレゼントである。…まぁなな湖さんはオシャレ実況者やから、プレゼントも当然オシャレにキメたいところ。ましてや愛しい彼女に贈るもの、失敗は許されない。客観的な意見が必要不可欠である。
「…っていうわけなんやけど、とりっぴぃやったら何渡す？」
「えぇー…別にその彼女に欲しいもん聞いて買ってあげたらいいじゃないすか」
「アホやなぁとりっぴぃ！それはロマンが無いやろロマンが！」
「なんなんすかロマンロマンって！でも欲しいものそれとなく聞くのは大きく外れないし俺はそういうのが嬉しいと思いますよ」
「欲しいもん、なぁ…」
一つだけ、心当たりはある。
ななくんのおうちちょっと遠いんだよねえと困ったように笑ったり。不健康な生活をしている俺に、ほんとは毎日ご飯作ってあげたいんだけど、と言ってくれたり。俺の家を出る時、名残惜しそうな顔をしてまた来るねと言ったり。
…でも流石にベタすぎるか？
「…とりっぴぃ」
「いいの思いつきました？」
「花束って女の子は喜ぶやろか」
「花束？えー、どうだろ…でも多分あの人なな湖さんから貰った物ならなんでも喜びますよ」
「そうかぁー…よっし！とりっぴぃありがとう！また飲み行く時奢るわ！」
ちょっと、そんなんいいですって俺何もしてないですからと慌てたようなとりっぴぃの声を無視して通話を切る。
とびっきりのを彼女に贈ろう。そうと決まれば少し陽が暮れるのが遅くなった街へくり出す。これを受け取った彼女がどんな反応をするか今から楽しみで仕方ない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レーニャン - やっぱなな湖さん好こ。高田村は皆好こ。影村も全員好こ。 (2021年10月25日 1時) (
レス) id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
黄金糖(プロフ) - こむぎ@チームこーくwさん» コメント、評価ありがとうございます！鳥さんいいですよね´`* (2018年9月26日 2時) (レス) id: 4cc7d49c48 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ@チームこーくw - とりっぴぃさん最高かよおおおおおおおおおお！！！ 神ですね。評価します。 (2018年9月15日 16時) (レス) id: fce3d8ed6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
