【wrwrd】アカに染まる【男主】 (ページ8)

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8色目ページ8

それからおれは戦闘員になるために訓練をした。倒れそうになるくらい厳しい訓練だった。そのお陰で今は闘えてる。
思い出話はこれでお終いとしよう。話したいことは沢山あるのだが、話し始めたら止まらなくなってしまうから。

「おーい、Aー！何してんねん！」
『ごめーん！昔のこと思い出してたー！』

トントンのところに行くと、小突かれた。

『ごめんって！』
「お前よくこの状況で思い出に浸れたな…」

目の前に広がるのは赤い炎。おれがトントンと出会った日と同じだ。

『ほら、おれがトントンと出会った日と似てるじゃん。』
「ん？ああ、ほんまやな。…火に触ろうとしたらアカンで。」
『触らないよ。』

だっておれが好きなアカは隣にあるから。
炎よりもアカい瞳となびくマフラー。
おれが何よりも好きなアカ。

『トントンには指一本触れさせないから。』
「…逞しくなったやん。」
『当たり前じゃん。』

おれがずっと追いかけてきた背中、追い越したい壁。
目標がなくなるのは困るからね、護らせてよ。

「…それでは、目標は革命軍本部！砲撃用意！」

指揮官を任されているトントンの声が轟いた。
砲撃開始と共に衝撃波に襲われる。
ああ、そう、この感じ。目の前が更にアカくなる。

「A、護衛頼むで。」
『OK、任せて。』

おれが戦闘員になったときにトントンがくれた剣を鞘から抜いて構える。

アカ色に染まりきったおれは他の色に染まることは無い。

アカ色がおれの全てだ。

______アカに染まる____終