6色目 ページ6
その後は自己紹介をして食事をした。自己紹介については長くなりそうなので割愛しよう。
リーダーも含めて、随分と個性の強い人達だと思った。
一応内戦中なのに緩い雰囲気に包まれた革命軍の本拠地に、自然と緊張が解けていった。
「うまいか？」
『うん、とってもおいしいよ。』
「そういえばさっき年齢言ってなかったけど何歳なん？」
大先生に年齢を聞かれてドキッとした。
おれはちゃんとした年齢を知らない。
『多分…17だと思う。』
「…そっかー、じゃあまだ酒と煙草は駄目なんやな。残念やわ〜。」
「てことは俺と3歳差なんやな！」
嬉しそうにシャオロンが話しかけてきた。
この中では最年少のシャオロンはとても嬉しそうだった。
「弟が出来たみたいやわー！」
『ふっ、おれが弟でいいの？』
「Aがいいんやろー？」
嬉しそうなシャオロンを見て、おれも嬉しくなった。久しぶりに笑った気がした。
くしゃくしゃと頭を撫でるシャオロンの顔はまるで子供のようだった。
「おい、食べ終わったか？会議を始めるぞ。」
するとそれぞれが席に着き始めた。
『トントン、おれも会議に参加する？』
「おん、参加してもらうで。」
取り敢えず聞いとくだけでええで、と言われたので座っておくことにした。
「今回の議題はお察しの通り、Aの事だ。」
『…え、おれ？』
「せや、お前をこれからどうするか決めるんや。」
話す内容と提案は既に用意していたらしく、会議はトントン拍子で進んでいく。
「Aには戦闘員として訓練してもらいたい。」
「でもそういう経験ないやろ。」
「今は手一杯やし…。」
「内戦終わらんと面倒見れんで。」
一度に話し出すメンバーの反論の声にグルッペンは眉間に皺を寄せた。
「一度に話すな。聞き取れん。」
「言いたい事がある人は挙手しろって前言うたやろ。」
おれはただただ話を聞いていたが、どうやら戦闘員になるらしい。
今はそれどころじゃないから内戦が終わってから訓練を始めるらしかった。
「A、大丈夫か？」
『ああ、うん。大丈夫。ちょっと混乱してて…。』
「エーミール、まとめてくれ。」
「はいはい、Aさんは戦闘員になる。訓練は内戦後。内戦中は誰かが護衛につくこと。でええな？」
「ああ。ありがとう。」
『いや、忙しいのに護衛とか…』
「お前に死なれたら困るんや。先代との約束を破る訳にはいかん。」
その時は親の過保護に腹が立った。ありがたいことなのだが。
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作者名：ひのはら | 作成日時：2018年3月26日 0時
