夢にまで . (ページ3)

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Aが俺を起こしに来るのは、俺と一緒に登校したいから。

毎朝、なかなか起きられない俺を起こしに家まで来るのはきっと自分が遅刻したくないから。

小・中学校の頃は本当に起きられなくて、毎朝7時半きっちりに起こしに来るAを『眠たいんだから寝かせろ！学校くらい１人でいけよ！！』なんてうっとおしがっていたのだけれど、

最近は彼女が起こしに来る前になるとなぜかドキドキして目が覚めてしまうという、科学では表せなさそうな、恋による人体の不思議が起こっている。

女々しいかよ、俺。

毎朝俺が寝たフリをしてるなんてAが知ったらどうなるのだろう…

絶対怒るだろうな、全っ然怖くないけど。

「は？起きてるんなら私何のためにテテちゃんのところ行ってたの！！もう口聞かない！」とかね。

うわ、言いそう。

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「なにニヤニヤしてるの？気持ち悪い…」

「うるさいなあ、もう。」

「冗談だって、格好良いよ」

「…はいはい、知ってますよ。」

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雑に頭を撫でてやれば、Aは嬉しそうに目を細めた。

『乱暴だなぁ』とくしゃっと笑う彼女の頬には小さい頃から変わらないえくぼが。

………指突っ込みたくなるんだよな、このえくぼ。

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「全然変わらないね、Aは。」

「なに、幼児体型だって言いたいの？」

「あはは、違う違う」

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幼児体型って、、そんな訳ないじゃん、笑笑

ちゃんと立派な女の子ですよ、あなたは。

俺をこんなんにしちゃうくらいね。

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「変わらないよ、テテちゃんだって。」

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そうやって柔らかく微笑む彼女の笑顔はやっぱりくしゃくしゃだった。