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「うぅ、寒いね〜」
「もう１２月だもん、そりゃそうさ。」
.
ケーキショップを出ると、すっかり冷えた空気が二人を包んだ。
はーっと息を吐き、両手を擦り合わせているAを見ると、今すぐにでも抱きしめて温めてやりたくなる。
けれど、さすがにそんな変態チックなことをする訳にもいかないので、着ていた上着をかけてあげた。
他の子なら、
『いいよいいよ、テヒョンくんが寒いでしょ？』
なんて形だけでも遠慮をするのだろうけど、
.
「わーい！テテちゃんのこのダウン暖かいやつじゃん！これ好き！！」
「…」
.
Aにそんな常識が通用するはずもない。
申し訳なさなんて微塵も感じられない勢いで上着の袖に腕を通し出す彼女を見ていると、違う意味で寒気がした。
.
「あっ、次の日曜日だね、テテちゃんの誕生日」
「そーそー、盛大に祝って貰わなきゃ」
「今年のプレゼントは何が欲しい？」
「島」
「個人的にはお財布かな〜って思ってるんだけどさ、アクセサリーもありじゃない？」
「俺がせっかくボケてあげたのに……」
.
俺の貴重なボケを華麗にスルーしたAは、俺へのプレゼントをどうしようか真面目に考えているみたいだけど、正直に言うと、なんでもいい。
だって好きな子に毎年プレゼント貰える俺って、超絶恵まれてない？
去年プレゼントしてもらった、『これ絶対女物だろ』って感じのマフラーだって愛用してるからね俺。
ちょっとダサめの薄ピンクのマフラーしっかり使ってるからね。
.
「あっ、そういえばジミンくんは自分が印刷された等身大の抱き枕あげるって言ってたよ〜」
「…………それ言っちゃって大丈夫なの？」
続く
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作者名：なえ | 作成日時：2018年12月16日 16時
