暑い夏の日とアイス(３) knsm ページ26
「俺決まったけど、Aどうするん」
そう言うシッマの右手にはバニラのカップアイスがあった。コーラも買うのだろう、左手の人差し指と中指で挟みながらそれをぶら下げていた。
バニラはシッマが買うし、同じ味はやめておこう。チョコも良いが、この暑い中チョコはなぁ、と思ってしまう。サッパリしたやつが良いな。オレンジとか。うんうんと悩む私はあるアイスを見つける。よし、これにしよう。私はソーダ味の、あのお馴染みのアイスを手に取り、シッマに渡す。シッマも「これ、美味いよなあ」と笑った。
レジで商品渡して、お代を聞いて、1円玉が無いらしいので数枚代わりに出して、お釣りを貰って(勿論シッマが)、ありがとうございましたの声を背にコンビニを出る。ぶわりと今度は熱気が直撃した。私達は揃ってあっつ、と零し、それに対してけらけらと笑った。
シッマのアイスはともかく、私のは溶けてしまっては大変だからと歩きながら食べる事にした。袋を開けた時のソーダの香りも、アイスを嚙んだ時のしゃく、という音も、口の中に広がるソーダ味も冷たさも、このアイスでしか体験できない、と思う。
美味しさに思わずんー、と声を上げれば、シッマは羨ましそうに此方を見た。
「欲しい？」
そう聞けばシッマは嬉しそうに頷く。私はその表情にも弱い。
ほら、と歩くのを止めアイスをずい、と差し出す。シッマは案外背が高いので、背の低い私は結構高めに腕を上げなければいけなかった。シッマは少し屈んだ後あー、という効果音でもつきそうな感じの顔でアイスに齧り付く。結構多めに取られた。少なくとも、表面の部分は無くなり、氷の部分が顔を覗かせる程には齧られていた。この野郎、と思いシッマを見たが、しゃくしゃくとそれはそれは美味しそうに咀嚼していた。そして、飲み込んだ後のありがとうという言葉と太陽の様な眩しい笑顔に、何も言えなくなった。もしかして私はこの表情にも弱いのか。だとしたら、シッマに弱すぎる気がする。
また歩き出そうとした時、ふと、思った。あれ、私達、今、間接キス。……。
嗚呼、顔が熱くなっていく。頬に熱が集まる。
一向に歩き出さない私を不思議に思ったのか、シッマは此方を見た。
「なんかあった？」
「…なんでもないよ」
さあ行こう、と足を進める。シッマに、こんな顔見せたくなかった。
その時、シッマが顔を赤らめて気まずそうにしてたなんて、私は知らない。
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イェーーーーイ - ゾムニキィの話、めっちぁニヤけました (2019年7月19日 16時) (
レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
イェーーーーイ - すごいっッス!!!!感激ッス!!!!!師匠!!!!! (2019年7月19日 16時) (レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
イェーーーーイ - めちゃおもろかったっす!!全部読みました!!自分も書いてたけど、すぐにやめてしまいました.....。だからこんなにかけるなんて、 (2019年7月19日 16時) (レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
ふうせんかづら(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます。ひとらんらんさんの話は、お恥ずかしながら口調などキャラを掴めていなくて書きたいけど書けない、という状態です。他の作者様の作品等を見て研究？をしてはいるので、もう少しお待ち頂ければと思います。質問ありがとうございました。 (2017年7月11日 11時) (レス) id: e9f11f3778 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメントで失礼します。質問なのですが、ひんらんらんさんのお話は書かれないのでしょうか？ (2017年7月10日 17時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たさとけののこ | 作成日時：2017年3月12日 22時
