10. 貴方は花の似合う人 grpn ページ12
暖かな日差に目を少し細める。
辺りには白や黄色、紫の小さな花々が咲き乱れていた。
まるで絵画の様な光景の中、二人ほどの、少し高めな話し声と笑い声が聞こえてきた。
「ぐるちゃんのお顔はとっても綺麗だから、お花が似合うね」
幼く、あどけなさを残す、満面の笑みを浮かべる少女と、その言葉に複雑そうにしつつ、顔を赤らめる同じ年頃の少年。
二人とも、各々その手には、作りかけの花冠が握られていた。
暫くして、少女は少し不格好な花冠を、少年の頭にそっと乗せ、やっぱり似合うね、と言えば、少年は少しむっとしたが、完成した花冠を少女の頭に乗せ、口を開けた。
「 ―――――――― 」
少女は、嬉しそうに、照れ臭そうに笑った。
「グルちゃん、起きて」
重い瞼を数度瞬きし、小さな欠伸を一つ。
目の前には、夢の少女をそのまま成長させたような女性がいた。
「…A」
俺は、眠っていたのか。そう問えば、こくりとAは頷く。
桜の木の幹が背にあった。どうやら桜の木にもたれかかりながら眠っていたらしい。
「桜が綺麗だから花見がしたいって言った人が寝ちゃうんやから、もう」
ああ、そうだ。確か今朝カーテンを開けたら桜が満開で、天気も良くて。
今日は花見日和だと思って。Aを花見に誘ったんだ。
そう思い出していた時、Aがふ、と笑う。
どうかしたのかと怪訝そうに見つめれば、彼女の手が伸びてくる。
そして、俺の頭に付いていたらしい桜の花弁を取って、「お姫様みたい」と微笑まれる。
「グルちゃんはほんとに花が似合うね」
その言葉に、男相手にそれはどうなんだ、と少しむっとするが、彼女の頭を見て表情を和らげる。
「お姫様はそっちやろ」
そう言いながら、彼女の頭に乗っている花弁へとそっと手を伸ばす。
花が似合う、なんて言葉、そっくりそのままお返ししよう。
「花は、Aの方が似合う」
夢と同じ台詞を言えば、夢と同じ様に、彼女は笑った。
11. 休みよ早くきて zm→←09. さよなら愛しい人 tntn
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イェーーーーイ - ゾムニキィの話、めっちぁニヤけました (2019年7月19日 16時) (
レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
イェーーーーイ - すごいっッス!!!!感激ッス!!!!!師匠!!!!! (2019年7月19日 16時) (レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
イェーーーーイ - めちゃおもろかったっす!!全部読みました!!自分も書いてたけど、すぐにやめてしまいました.....。だからこんなにかけるなんて、 (2019年7月19日 16時) (レス) id: 4c40c5f85b (このIDを非表示/違反報告)
ふうせんかづら(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます。ひとらんらんさんの話は、お恥ずかしながら口調などキャラを掴めていなくて書きたいけど書けない、という状態です。他の作者様の作品等を見て研究？をしてはいるので、もう少しお待ち頂ければと思います。質問ありがとうございました。 (2017年7月11日 11時) (レス) id: e9f11f3778 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメントで失礼します。質問なのですが、ひんらんらんさんのお話は書かれないのでしょうか？ (2017年7月10日 17時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たさとけののこ | 作成日時：2017年3月12日 22時
