8話 エゴイズム ページ10
・
会うのは実に1年ぶりになる。
六眼で見透かし、顔に炎のような痣を持つ鬼。
どこか威厳すら感じてしまうその姿とは裏腹に、異常なほど気配は静かであり、それが余計に恐怖を引き立たせていた。
“上弦の壱” 紛うことなき、随一の実力者。
柱を数え切れぬ程葬ってきた化け物である。
そんな黒死牟様が、なぜこの場にいるのか…
それは私を内通者に推薦したのは黒死牟様だからだ。
昔、鬼舞辻無惨は産屋敷の居場所をちっとも掴めず、それにとうとうシビレを切らしてしまった。
そして無惨様が鬼達に命令をした。
『“人間の諜報員”を作れ』と。
それによって黒死牟様に剣の才能、冷静さを見出された私は内通者に仕立て上げられ彼から剣技を教わった。
黒死牟様の容赦のない鍛錬は昨日の事のように思い出せる。それほどまでにキツく、何度も血反吐を吐き、何度も死にかけた。
それでも私が逃げ出さなかったのは…
「黒死牟様、兄さんはお変わりありませんか?」
「ああ…鬼だからな…怪我をしても治る上、病にかかる事もない…」
兄の存在だ。
私の兄は鬼にされた。私が逃げれば兄は鬼舞辻無惨に殺されてしまう。
戦っても勝てる訳がない。前途多難。逃げるのは不可能だ。
だが諜報員に仕立て上げた黒死牟様や鬼達に対する恨みはない。
別に自分達の大事な人が殺された訳では無いからだ。それ所か、この任務を達成出来れば私は鬼にして貰える。
鬼になってしまえば兄と永遠の時を、誰にも侵害される事無く生きることが出来る。
私達は私達さえ良ければそれでいいのだ。
だから何も思っていない。
まァ、恨んで復讐できる相手では無い。というのも理由の一つだが。
私は、兄さんとずっと一緒に居たい。
だから内通者になる事に、人を騙す事になんの躊躇も迷いも無かった。
だから戦う。情報を流し、鬼殺隊を潰せば、私も兄さんと同じ__【鬼】にしてもらえるから…
そうすれば、もう何も失うことはない。
ずっと一緒にいられるから。
・
Aはとある過去により性格ねじ曲がってます。
Aの兄は地獄楽という漫画の亜左弔兵衛がモチーフです。ビジュ最高なんで、是非検索して見てください!
150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リートにゃむだ(プロフ) - 叶乃さん» ありがとうございます!!嬉しいです!めっちゃやる気出ました!これからも是非見てくださると嬉しいです!♪ (2023年2月9日 14時) (レス) id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても面白かったです!内通者って言う設定がとても面白いです…!これからもが頑張ってください! (2023年2月8日 23時) (レス) @page21 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - ぺぽんさん» ありがとうございます…!凄く嬉しいです!!文才がない私が答えるのも烏滸がましいですが、助詞をなるべく使わない、空白と漢字を使いまくり文章をなるべく短くする。ってことくらいです。読みやすいと言われたのは初めてでテンション上がってしまいました笑。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page14 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - こんにちは、物語楽しく読ませてもらっています! 読みやすく書かれているのに主人公の心情も分かりやすいので続きが楽しみです! 私も小説を書いているのですが、文章がごちゃごちゃして読みづらく…にゃむださんは書くときに、何か気をつけていることはありますか? (2023年2月7日 18時) (レス) @page13 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - 気づきませんでした。報告感謝です! (2023年2月6日 19時) (レス) @page7 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リートにゃむだ | 作成日時:2023年2月6日 18時