9話 命の手綱 ページ11
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「……お前はこの1年で…柱になった…見るに…相当腕を上げたようだな…」
「ありがとうございます。もったいないお言葉です。」
頬に汗が伝った。私は彼に命綱を握られている状態だ。選択肢を謝る事、ソレは私達の死に直結する。
頭をずっと回転させ、細心の注意を払い続けるのはやはり辛かった。
そんな事を知ってか知らずか、黒死牟様はどうでもいいように言葉を続ける
「……本題に入る……お前は柱になって…そこで
何を知った…」
「…はい。
藤の花の家紋の家を2件ほど、そして育手が隊士を育てている住居を特定致しました。
しかし資金源、武器の生産地、療養所、そして青い彼岸花についての情報はまだ掴めておりません…」
汗が地面にポタリと落ちる。心臓が張り詰めて苦しかった。
「……ふむ…致し方ない…お前は柱になったばかり…それだけ掴めたのであれば…優秀だ…」
胸を撫で下ろす。
満足していただけたようだ
「お前は柱になった…もう一般隊士とは違う…鬼殺隊について入る情報は、桁違いになるだろう…」
「はい。…しかし私はまだ信用がたりません。
実力は認められていますが実績がない。
秘匿された情報を知るには、かなり時間がかかるかと」
「ふむ…お前の予想ではどれくらいだ…」
「尽力は致しますが、じつに1年は…」
辺りがしんと静まりかえる
冷や汗が止まらない。
長く時を過ごし教えを乞うたとはいえ、相手は上弦の鬼なのだ。殺されないとは分かっていても、圧倒的強者に対する本能的な恐怖は拭えない。
「…仕様があるまい。…これだけ尻尾を掴ませなかった…組織だ。…我らが血なまこになり…探した年月よりは少ない…無闇に行動し…使い物にならなくなる方が問題だ……」
許していただけたようだ。心臓が痛くなる程の緊張感の中、少しだけ胸が軽くなった。
「しかし、油断はするな…あの方は憤っておられる…鬼殺隊を一刻も早く…血祭りにあげろと…
時間は有限だ…肝に銘じておけ」
「はっ!承知致しました」
黒死牟様が背を向ける。夜風によって草原と共に長い髪が波打った。
月の下、一部光に照らされるその姿は、どこか神秘的でどこか美しく凄艶(セイエン)であった。
「次に満月が登る夜……
ここでお前を待っている……
いい報告を期待してな…『亜左』A。」
そう言うと、黒死牟様は深い闇の中に消えていった。
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リートにゃむだ(プロフ) - 叶乃さん» ありがとうございます!!嬉しいです!めっちゃやる気出ました!これからも是非見てくださると嬉しいです!♪ (2023年2月9日 14時) (レス) id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても面白かったです!内通者って言う設定がとても面白いです…!これからもが頑張ってください! (2023年2月8日 23時) (レス) @page21 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - ぺぽんさん» ありがとうございます…!凄く嬉しいです!!文才がない私が答えるのも烏滸がましいですが、助詞をなるべく使わない、空白と漢字を使いまくり文章をなるべく短くする。ってことくらいです。読みやすいと言われたのは初めてでテンション上がってしまいました笑。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page14 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - こんにちは、物語楽しく読ませてもらっています! 読みやすく書かれているのに主人公の心情も分かりやすいので続きが楽しみです! 私も小説を書いているのですが、文章がごちゃごちゃして読みづらく…にゃむださんは書くときに、何か気をつけていることはありますか? (2023年2月7日 18時) (レス) @page13 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - 気づきませんでした。報告感謝です! (2023年2月6日 19時) (レス) @page7 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リートにゃむだ | 作成日時:2023年2月6日 18時