16羽 ページ17
あの宣戦布告？の日から何日か経って
平穏な日々が続いていた
私はアジトに住む事に慣れ今じゃ自宅は放ったらかし
むしろここに居たいと愛着が湧くから
慣れって怖いなと思う
アヤト「おい、狐女。仕事だ」
どうやらタタラの代わりに彼が部屋に訪れたらしい
ガチャリと部屋の扉を開けて彼を確認する
「……何？」
アヤト「見回りしてこいだと。」
"ハトが増えたからな"と嫌そうな顔をした
「……わかった」
バタンッと扉を閉めて部屋を見渡す
「……準備するか」
気持ちを切り替えて私は仕事の準備を始めた
・
・
・
・
・
・
・
・
・
「1.2.3.4.5.6.7.8……ふぅん」
高いビルの上から
生まれつき耳が良く、喰種の私は足音で誰が誰なのか聴きわける事ができるため
耳を澄ませて人数を確認していた
「随分多いな…何かあったのか？」
"ふむ"と悩んでいるとこんな声が聞こえてきた
"アオギリの樹が活発で…"
"黒ラビットが厄介だ"
"女狐もアオギリに…"
「女狐だなんて失礼だな。私にはれっきとした"妖狐"って名前が…」
ハッと耳をすませた
「(誰かが…くる？)」
コツコツと微かだが屋上に向かって
階段を上る音が聞こえた
「(……あぁ)」
"喰種か"と呟くと屋上の扉が開く音がした
ギィー…と鈍い音がしてコツコツとまた私に近づいた
喰種「お前いい匂いすんなぁ…女？喰種？人間？どっちだ？」
「どっちもだよ」
ズシャアッと喰種の腹を割き
ビチャビチャッと辺りに血が散らばった
喰種「おま…狐…」
とだけ言って力尽きて死んでいった
私はあることわざを思い出した
「四面楚歌…意味は周囲をすべて敵に囲まれていて、味方が1人もおらず孤立していること」
"私にぴったりだ"
半喰種に孤独な私
同種の喰種、同種の人間
それでもハトに、喰種に追われる日々
半喰種の肉は美味しいし匂いが良いと聞く
だから喰種にも狙われハトにも狙われる
私の周りは常に敵だらけ。
安心なんてできない
「この世界に居場所なんてない」
そう呟いてビルを後にした
影に隠れている奴に気づかずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜雪(プロフ) - 閲覧、コメントありがとうございます！！！！！！最後までお付き合いしていただいて本当にありがとうございます！！今掲載している「闇ヲ生キルモノ」が完結したらまたアヤト作りたいと思いますのでその時はよろしくお願い致します(^^) (2016年9月13日 22時) (
レス) id: 5715002957 (このIDを非表示/違反報告)
希空(プロフ) - 桜雪さんこんにちわ！とってもキュンキュンしました！最後の方涙腺がやばかったですw新作楽しみにしてます更新頑張ってください！ (2016年9月13日 22時) (レス) id: fa7bc21c50 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - ラビ*赤葦&木兎love*さん» 閲覧、コメントありがとうございます!!!!!!!面白すぎなんて勿体無いお言葉ですorz最後まで応援ありがとうございました！また、どこかの作品でお会いできれば光栄です(^^)本当にありがとうございました！ (2016年4月29日 23時) (レス) id: 5715002957 (このIDを非表示/違反報告)
ラビ*赤葦&木兎love* - おわぁぁぁぁぁぁやばいぃぃぃぃぃ!!絢都君さいこー!かっこよすぎデショw作品面白かったです!ちょっとほんのちょっとでいいのでその文才わけてほしいっスw新作楽しみにしてます！頑張って下さい! (2016年4月29日 22時) (レス) id: 53d3e79461 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜雪 | 作成日時：2016年3月4日 2時
