いまさら頼れない ページ18
.
ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘｯ
目を覚ますと、目覚ましの音がやけに頭に響く。
半身を起こせば、体のだるさが顕著に表れて。
風邪ひいた……
そう察するのに時間はかからなかった。
重い体を引きずりながら体温計を探して、測ってみると38.7℃。
微熱位なら会社に行ってやろうと思っていたのに、とんだ誤算だ。
仕方なしに会社には休む趣旨を伝えて、もう一度ベッドに戻る。
数値として熱があることを確認したからか、より一層体がだるく感じられた。
こんな時に、一人暮らしとは不便なもので。
病院に連れていってくれる人もいなければ、ご飯を作ってくれる人もいない。
なにより、体調が悪い時にひとりぼっちは心細かった。
でも、私には頼れる人なんていない。
体を重ねてきた男たちだって、所詮体だけの関係。
自分がいかに軽薄な人間関係を築いてきたのか、知らしめられたような気がした。
でも、彼ならキヨくんなら＿＿＿＿
連絡をすれば来てくれるかもしれない
一瞬そんな期待を抱いて、すぐに捨てた。
自分があまりにも、自分勝手に見えたから。
都合が悪くなったら逃げて、ピンチの時は呼び出して……
そんなの、キヨくんの優しさにつけこんで、彼を振り回しているだけだ。
どちらにせよ、迎えがいらない事を伝える必要があって、ベッドの傍で充電していたスマホを取る。
A風邪ひいて会社休んだから、迎えは大丈夫
必要最低限の事だけを記して、送信ボタンを押した。
もしかしたら、昨日の私の行動に嫌気が差して、今日は迎えに来る気なんてないのかもしれない。
でも、一応。
連絡するに越したことはないよね。
スマホを枕横に置いた時、急激な眠気が襲ってきた。
会社を休んだ私は眠気に抗う必要がなくて。
睡魔に飲み込まれる様に、私は眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひばり(プロフ) - ゆーみさん» 愛を叫んでいただきありがとうございます！笑 嬉しいです〜！ (2020年8月27日 21時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみ(プロフ) - うぬぅ！こぉれすきだああああ(？？？) めっちゃ好きですこれ！！ (2020年8月27日 20時) (レス) id: 764e348d9e (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - ゆきさん» わぁ！ゆきさん！私、ゆきさんのお話大好きなので、そんな方からコメント頂けて嬉しいです……！！ありがとうございます……！ (2020年8月23日 20時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - コメント失礼します！あ……面白そう……と思ったらひばりさんの作品でした、、、。前作のお隣さんも陰ながら見てました！これからも更新頑張ってください！！ (2020年8月23日 20時) (レス) id: 0ee34f3752 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひばり | 作成日時：2020年8月22日 17時
