【実況者】僕らはみんな狂っている－真相編－【ky,rt】 (ページ18)

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捕縛ページ18

とてもいい目覚めだった。

昨日は、泣いているキヨくんを抱きしめて、泣くフリをしながら静かに微笑んでいた。

だって、私を求めて泣いてるんだもん。

嬉しくないわけないよね。

こちらに体を向けて、未だスヤスヤと眠るキヨくんの頭を撫でようとした時、

何かに引っ張られるような感覚。

手が、動かない……？

不思議に思って左手を見ると、この空間には似つかわしくない、手錠があった。

寝起きで頭の働かない頭で、どういう状況なのか考える。

私に手錠をつけられる人物は、この場にただ一人しかいない……。

それはもちろん、キヨくん。

物理的に私を捕まえようとしたキヨくんには、嬉しさを通り越してもはや感動まで覚えるほど。

手錠は、彼の愛が形を成した物だと感じた。

キヨくんは、俺が出かけてる間、手錠はつけなくていいと言っていたけれど、私にはそれが少し物足りなかった。

だっていつでも逃げ出せちゃうんだよ？

レトくんの所へだって。

でも、それを口にすることは出来なくて、打ち合わせに向かうキヨくんを大人しく見送る。

「いってきます」

いつもは気だるげに外出するキヨくんが、今日はニコニコしてるのが少し不思議。

でも、大して気にもとめず、私も笑顔で送り出した。

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今日の私はいつも以上に気分が良かった。
だって、キヨくんが求めていた愛をくれるから。

今日の夕食はハンバーグにしよっと

子供の頃から特別な日に食べるイメージのハンバーグ。

今日はこのメニューが相応しい。

鼻歌を歌いながら、キヨくんのために玉ねぎを通常より細かく微塵切りにしていると、中指に鋭い痛みが走る。

『いった……』

咄嗟に指を見ると、赤い血が滲んでいた。

私はしばらく、側面を伝って流れていく血を眺めていた。

いつもだったら、指を切って落ち込むけど、今日は違う。キヨくんのためなら、こんな怪我大したことない。

そう思わせるほどに、私もキヨくんに憔悴していた。