. ページ28
時計が夜の十二時を指し
お互いに程よい眠気が襲ってくる。
Aは俺の家に居候した当初から
リビングのソファで寝ていた。
この日もいつものように
ソファに横になり
布団に身を包んだAに
「今日は一緒に寝ようぜ」
と言ってみる。
今日一日
何回も俺の無茶ぶりを聞いてきたAは
断っても無駄だと判断したのか
『今日だけだからね……！』
と念押ししながらも承諾してくれた。
二人で俺のベッドに入り
背中合わせで横になる。
背中からは体温が伝わってきて
Aと一緒に寝ていることを実感した。
『あのさ、』
突然Aから話しかけられ、
俺は耳を傾ける。
『なんで、こんな……恋人みたいなお願いばかりしたの……？』
落ち着いた声で問いかけてくるA。
ここまでしたら
俺の気持ちに気づきそうなものだが、
Aは気づいていないのか？
それとも、
気づいた上で
事実確認のために聞いてきたのか。
おそらく後者の気がする。
「それは、Aのことが好きだから」
俺は包み隠さずに本当のことを告げる。
やはりAは気づいていたのか
大して驚いた様子もなく
『そっか』
と一言呟いただけだった。
「Aは俺の事どう思ってる？」
ほぼ告白の返事を促すような問いに
どんな言葉が帰ってくるのかドキドキする。
『キヨくんは……私を助けてくれたスーパーマンみたいな人、かな。』
『でもね、』
この時点で
おそらくいい返事は貰えねぇよなぁ
という察しはついた。
だが
大人しく続きを聞く他ない。
『キヨくんの好きって気持ちには応えられないよ……私は、レトくんの彼女だから』
申し訳なさそうに言うA。
わかっていた答えだが
すんなり受け入れる俺ではなかった。
「本当に、今もレトさんのこと好きなの？」
『……え？』
「レトさんが心配だから別れないだけなんじゃねぇの？」
一度言い出すと止まることが出来なかった。
「Aの本当の気持ちはどうなんだよ！」
つい熱が入ってしまい
怒鳴るように大きな声をあげてしまう。
明らかに
納得できない俺の八つ当たりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひばり(プロフ) - emiさん» 前作に引き続き読んでいただきありがとうございます〜！！すごく嬉しいです……！これからも応援よろしくお願いします！ (2020年5月29日 7時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 待ってました！！(誰) 前作も見ていました！ひばりさんの作品大好きなんです！！体に無理がない頻度で、更新頑張ってください！ (2020年5月29日 5時) (レス) id: ec0b5da59b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひばり | 作成日時：2020年5月28日 7時
