熱で溶けだす氷菓 ページ3
いつもは騒がしい校舎。
夏休みで生徒はいるはずもなく、人の気配が全然なくて静まり返っている。
2階の一番奥、「体育準備室」の名前を確認して深呼吸をする。
入る前に前髪を直して、ドアをノックした。
「どーぞー」
仲から聞き慣れた声が聞こえる。
『失礼します』
緊張する気持ちを抑え、私は準備室の中へと入った。
入った瞬間、冷気が私の火照った体を包む。
「わざわざ学校まで悪いな」
『キヨ先生こそ、私のために補習ありがとうございます』
いつも通りいつも通り。
心の中で自分に言い聞かせ、平静を装ってお礼を言う。
二対の教員机が向き合っている準備室で、キヨ先生は私から見て右側に座っていた。
私は指示されるまま、キヨ先生の向かい側の席に座る。
キヨ先生、今日私服だ……
いつもはジャージ姿のキヨ先生が、オーバーサイズの白シャツに黒いパンツを履いているのはとても新鮮で、普段生徒が見れない姿に優越感を覚える。
「ちゃんと勉強してきたか？」
『一応は……あんまり自信ないですけど』
嘘、本当は完璧に頭に叩き込むぐらい勉強してきた。
でもそう正直に伝えるのには、なんだか少し恥ずかしくて、自信の無い振りをした。
私に1枚のA4のプリントを渡して、
「制限時間はとくにないから、落ち着いて解けよ」
と一言告げると、準備室を出ていってしまった。
勝手に準備室でずっと2人きりだと思っていたけど……それは私の想像で留まってしまったみたいだ。
少し残念に思いながらも、キヨ先生と2人きりだったら集中できなくてテストどころじゃない。
逆に救われたのかもとプラスに捉えながら、私は試験問題に取り組んだ。
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ひばり(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん！コメントありがとうございます！散りばめた伏線を最終的に回収することができほっとしています……これからもよろしくお願いします！ (2020年5月28日 0時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 昂った感情の抑え方が分からないのでコメントします……！！！タイトルの意味をぼんやりと考えながら読み進めていたら、最後であぁ……なるほど、と。綺麗な言葉に綺麗なお話でとても感動しました！！次回作も楽しみにしてます！！！！ (2020年5月28日 0時) (レス) id: 05bab72418 (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - 涼風さん» コメントありがとうございます！私自身こんな終わりで大丈夫なのか……と不安があったのでそう言って貰えて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - こっ、声が出なくなった……！なんだろうこの気持ちは。自分の語彙力じゃ表現しきれないけれど、最高の作品をありがとうございました！そして、投稿お疲れ様でした。これからも応援し続けます！ (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3abcd35107 (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいお言葉……！これからも頑張って執筆していく予定なので、よろしくお願いします！ (2020年5月26日 18時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年5月10日 15時
