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「てか、お前」
『へ？』
「髪どうしたんだよ」
Aの奇妙なところは、態度だけではなかった。
”うっしーに女の子らしく見られたい”と頑なに切らなかった髪は、顎のラインで綺麗に切り揃えられている。
毛先を指で弄んでいるAは、『あぁ、これ……』と少し言いずらそうに目線を下げた。
『まあなんていうかイメチェン？というか……心機一転的な？』
そう言いながら俺に笑顔を見せるけど、その表情には少しだけ影があるような気がして、Aとうっしーとの間に何かがあったのだと勘の悪い俺でもすぐにわかった。
『ま、そういうわけだからさ！とりあえず家あがんなよ』
「あ……おう……」
気丈に振る舞う姿が、むしろ見ていて痛々しい。
俺に心配をかけまいとしているのか、辛い事実から立ち直ろうとしているのか。
Aの心境は依然としてわからいけど、やっぱり俺がどうにかしてやりたいと、そう思わせるような表情を彼女はしていた。
リビングへと通され、ソファに浅く腰掛ける。
Aの家にはもう何度も来ているというのに、なんだか妙に緊張して背筋が伸びた。
『飲み物は綾鷹でいい？』
「あー……うん」
『お菓子はー？いるー？』
「……」
『きよー？』
「……あのさ」
『んー？』
間延びした声で返答するAに、気になっていることを聞いていいものか一瞬躊躇った。
彼女から話そうとしないなら聞かない方がいいんじゃないか。
なかったことにしようとしているなら、わざわざ掘り返さなくてもいいんじゃないか、と。
しかし、今日見せていた笑顔も、ソファから見える彼女の背中も、どちらも悲しみを孕んでいて。
俺の知らぬ間に起こった”何か”をこんなにも話そうとしないのは、
────俺じゃなくてうっしーを選ぶなら、もうこんな関係やめよう
そう言ってしまった俺にも、きっと原因の一端があるのは確かな訳で。
あんなにも泣き虫なAが一人で抱えきれる筈がないのに。
それは俺が一番わかっていた筈なのに。
例えば『もう私にキヨは必要ないよ』と、そう言われてしまえばお終いだけど、
まだ、拒絶されていないのなら。
また、家に入れてくれたから。
だから、
もう一度俺がAに手を差し伸べるよ。
「Aが話したくないなら言わなくていい。だけど聞くだけ聞かせて」
「うっしーと、なんかあった？」
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ひばり(プロフ) - やとさん» コメントありがとうございます！そして、長らく更新できず、申し訳ありませんでした……前作から読んでいただき嬉しい限りです！！更新頑張りますので、完結まで見守っていただけたらと思います！ (2021年6月7日 1時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
やと(プロフ) - 初めまして。好かれる理由が分からないでひばりさんを知り、こちらの作品も投稿され始めた時から読んでいて…今更新通知がきてドキドキしながらすぐに見に来てしまいました…！すごく好みの作品で…(T_T)！更新楽しみにしています。応援しております◎ (2021年6月7日 1時) (レス) id: 9b84b3a66a (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります〜！ (2020年12月31日 10時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2020年12月30日 19時) (レス) id: 86dd44b865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年11月14日 17時
