第五話 終着点 ページ28
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Aに告白して、逃げるように彼女の家を出てから二週間が経とうとしていた。
もちろん、あの日から連絡は来ていない。
当たり前かと頭では理解しつつも、やたらとLINEを確認しては溜息をつくばかりだ。
実況にも身が入らないし、飯だって上手く喉を通らないし、俺の私生活には支障が出るばかり。
”もうこんな関係やめよう”とまで告げといて、いつまでもうじうじと悩む自分自身にも腹が立った。
「あぁーーーこんなん俺らしくねぇ」
脱力するように寝転がっていたソファから、勢いよく起き上がる。
ローテーブルに伏せていたスマホを持ち上げ、
キヨ今からお前んち行くわ
と、Aの予定も確認せず、ただそれだけを伝えて出かけ支度をする。
彼女の家へ押しかけて、どんな顔で会おうとか、どんな話をしようとか、そんなものは全てノープランだ。
だけど、もう「行く」と送ってしまったから、引き返す訳にもいかない。
それに、Aからいつまでも逃げ続けて、うっしーには大人しく白旗を上げるなんて、
そんなの”キヨ”らしくないから。
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Aの家のインターホンを押した瞬間、家を出た時の勢いは何処へやら、急な緊張が襲い、手には汗が滲んだ。
ここまで緊張したのは、この家に初めて来た時以来だろうか。
あの時はまだ、俺を笑顔で出迎えてくれていたが、どんどんと泣き顔を見る機会が増えていったような気がする。
Aの苦しそうな顔を見る度に俺の心も抉られていったが、それでもAの傍にいてやりたいという気持ちは変わらなかった。
今日だって、うっしーの事で頭を悩ませて泣いているんじゃないかと思うと気が気じゃない。
どれだけ惨めであろうと、あいつを慰める役目は誰にだって譲りたくはなかった。
『あれ、キヨじゃん。急にどうしたの？』
いつの間にか空いていたドアから顔を出すAに、つい拍子抜けしてしまう。
いつも通り……というか、俺の告白もうっしーの事もなにもかもなかったような素振りだ。
「い、や……お前んち行くってLINEしたじゃん……」
『え、嘘。ごめん、気づかなかったわ。とりあえず家入ってー』
どうぞーなんてドアを押さえて待つ姿は、あまりにも呑気というか。
最近の出来事がまるで嘘だったかのようで、Aの心情がまるでわからなかった。
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ひばり(プロフ) - やとさん» コメントありがとうございます！そして、長らく更新できず、申し訳ありませんでした……前作から読んでいただき嬉しい限りです！！更新頑張りますので、完結まで見守っていただけたらと思います！ (2021年6月7日 1時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
やと(プロフ) - 初めまして。好かれる理由が分からないでひばりさんを知り、こちらの作品も投稿され始めた時から読んでいて…今更新通知がきてドキドキしながらすぐに見に来てしまいました…！すごく好みの作品で…(T_T)！更新楽しみにしています。応援しております◎ (2021年6月7日 1時) (レス) id: 9b84b3a66a (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります〜！ (2020年12月31日 10時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2020年12月30日 19時) (レス) id: 86dd44b865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年11月14日 17時
