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次の瞬間、うっしーの顔から笑顔が消えた。
かと思ったら再び口角を上げてこちらを見るが、
その顔は、俺を嘲笑っているかのようだった。
「……お前はさ、可哀想だよな」
「は……？」
「キヨがAの事を好きなのは薄々感じてたけど、Aは……俺の事が好きだもんな」
勝ち誇ったような顔をするうっしーに、俺は思わず一歩踏み出した。
けれど、力を込めた握り拳は、振り上げられる事はなかった。
ここで手をあげたとしても、俺が惨めな想いをするだけだ。
うっしーの言うように、俺はAを好きで、でもAはうっしーの事が好きで……
散々俺が足掻いた所で、それはどうにも変えられない事実だ。
「ごめん……もう今日は帰って」
俺が呼び出した癖に、お茶の一杯も出さずに帰すなんて、つくづく非常識だとは思う。
ただ、これ以上うっしーといる事が、俺には辛くて耐えきれなかった。
「……おう、じゃあな」
ゆっくりと閉まる扉。
そこから覗くうっしーの顔は、やはり余裕そうに笑っていて。
完全に打ちのめされてしまった俺は、一人その場に蹲る。
徐々に遠ざかっていく足音を扉越しに聞きながら、ただただ途方に暮れていた。
もう、どうすればいいのかわからない。
Aからは想われず、うっしーを引き離す事も出来ずに。
現状は依然として変わらないまま……いや、もっと悪化してしまったのだろうか。
いつしかAへの想いは、どきどきと高鳴るものから、ズキズキと痛むものへ変わってしまったのが何よりの証拠だ。
その痛みから逃げる術も、上手く昇華する術も知らない俺は、ただじっと耐えることしか出来ない。
(こんなにもしんどいなら、Aの事なんて好きになるんじゃなかった……)
そう心の中で呟いても、
全てが手遅れな事は、自分がよくわかっていた。
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ひばり(プロフ) - やとさん» コメントありがとうございます！そして、長らく更新できず、申し訳ありませんでした……前作から読んでいただき嬉しい限りです！！更新頑張りますので、完結まで見守っていただけたらと思います！ (2021年6月7日 1時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
やと(プロフ) - 初めまして。好かれる理由が分からないでひばりさんを知り、こちらの作品も投稿され始めた時から読んでいて…今更新通知がきてドキドキしながらすぐに見に来てしまいました…！すごく好みの作品で…(T_T)！更新楽しみにしています。応援しております◎ (2021年6月7日 1時) (レス) id: 9b84b3a66a (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります〜！ (2020年12月31日 10時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2020年12月30日 19時) (レス) id: 86dd44b865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年11月14日 17時
