第一話 狡い女 ページ1
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私には好きな人がいる。
彼は仕事仲間で友人。
頭の回転が速く冷静な判断をするかと思えば、意外とビビりで騒がしい。
男性にしては背が小さくて、眼鏡が似合って。
たまに肩頬を上げてニヤリと笑う顔に、私は弱い。
「A」
そうそうこうやって。
私の名前を呼ぶ低くて落ち着いた声も好き。
「……おい！A！！」
『……へ？』
ガ「あ、起きた？」
レ「今日収録開始早かったし、眠くなっちゃったん？」
キ「どうせこいつの事だからただぼーっとしてたんだろ」
ヘッドフォンから流れてくる彼らの声が鮮明に聞こえてきて、実況中だったのだと思い出す。
『ごめん……意識どっかいってた……』
牛「おい、実況中に寝るんじゃねぇぞ」
ガ・レ・キ「「「お前が言うな」」」
牛「はい」
普段通りふざけ合って笑いながら、密かにうっしーの事を想う。
この日常は数年前から続いていた。
牛「じゃあお疲れぇ〜」
実況が終わってまだ数分も経っていないと言うのに、うっしーは早々に離脱しようとしていた。
いつもだったらぐだぐだ喋って、いつの間にか朝を迎える事だってあるのに。
レ「なんか用事あるんやっけ？」
牛「うん、そう」
牛「今日、結婚記念日だからさ」
じゃあお先〜と言う声が聞こえた後、通話からうっしーが消えた。
あぁ、そっか
いつも深夜に行われる収録が、今日は早朝から行われたのは＿＿＿＿
『夜は奥さんと、過ごすため……』
そうわかった途端、今までの楽しかった時間がくだらない時間に思えてしまった。
(私が浮かれてる間に、うっしーは奥さんとの時間を待ちわびてたんだ……)
うっしーの事を想う度、既婚者である事実はいつも心の何処かにあった。
それを見ない振りして、私は幸せな恋をしていると自己催眠をかけて。
でも、こうやって真正面から突きつけられると、私の心は簡単に壊れてしまう。
なんで……こんな恋愛してるんだろ……
想えば想うほど不毛なこの恋を嘆きながら、いつまで経っても牛沢という男から抜け出せずにいた。
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ひばり(プロフ) - やとさん» コメントありがとうございます！そして、長らく更新できず、申し訳ありませんでした……前作から読んでいただき嬉しい限りです！！更新頑張りますので、完結まで見守っていただけたらと思います！ (2021年6月7日 1時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
やと(プロフ) - 初めまして。好かれる理由が分からないでひばりさんを知り、こちらの作品も投稿され始めた時から読んでいて…今更新通知がきてドキドキしながらすぐに見に来てしまいました…！すごく好みの作品で…(T_T)！更新楽しみにしています。応援しております◎ (2021年6月7日 1時) (レス) id: 9b84b3a66a (このIDを非表示/違反報告)
ひばり(プロフ) - あさぎさん» コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります〜！ (2020年12月31日 10時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2020年12月30日 19時) (レス) id: 86dd44b865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年11月14日 17時
