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目の前に、きらりと脂の照り光る肉が差し出された。
思わずその箸の持ち主に目をやると、その人は気味の悪いくらいににこやかで、尚且つその背後にはしっかりとした圧を広げて、それをさらに私の口元に近づけた。
唇が震える。
数日前からなんとなく体調が優れなくて、出社こそはしていたものの、活動量に見合った食事が摂れないでいた。
この飲み会だってできれば参加せずに帰宅したかったが、新しい上司の歓迎会ともなれば、まだまだ部署では若手の部類である私が断れるわけもなく。
ガヤガヤと騒がしい、安く美味くが謳い文句の焼肉屋に、流されるようにやってきたのが数十分前。
少しでも食べなくて済むようにと、率先して肉を焼き、飲み物を頼み、サラダを取り分けていたのだが、それが逆に不自然に映ったのかもしれない。
選択肢なんて2つとないことが明白だったからこそ、どうすればいいのか分からなくて、煙を上げる鉄板が目の前にあるのにも関わらず、冷や汗がダラダラと背中を伝った。
大学時代、もっと交友関係を築いていれば、こういう時に相手を不快にさせることなく、雰囲気を壊すこともなく、けれども自分の意思を曲げず、上手く躱せたのだろうか。なんて、必死に吊り上げた口角の後ろでもう変えられない過去を悔やんだ。
結局、私が自分を守りながらもこの状況を打開する策を、短時間で閃くわけもなかった。
気がつけば上唇と下唇の距離が遠ざかっていて、あっという間に、口内に少し冷めたそれが侵入する。
なぜか、私に視線が集中しているような気がしていた。
周りを確認したわけではないから、実際どうだったのかは分からないけれど、それくらいの緊張感と羞恥心があった。
1秒でも速く、その感覚から逃れたくて。
必死に口を動かして、かなり時間が掛かったような気もしたけど、どうにかそれを喉奥まで運んで、そして、
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こと(プロフ) - 初めまして🙇♀️質問なのですが以前セブチのマンネのお話書いてらっしゃいましたか、？ (3月25日 15時) (
レス) id: 12b873ee35 (このIDを非表示/違反報告)
きびだんご(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…この作品を作ってくれてありがとうございます🫶 (10月14日 23時) (レス) id: 9efe01ec08 (このIDを非表示/違反報告)
えまのすけ - ダークな世界観ながらも皆の優しさを感じてとても好きです、、！！BC推しでなかなか小説ないのでありがたいです、更新頑張ってください…！ (10月8日 1時) (レス) @page19 id: 344af6e19c (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - サメ?さん» ありがとうございます！更新を楽しみに待っていただけるようなお話にしたいと思います☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - ぱくちーさん» ありがとうございます！私もBCの話に飢えてまして、どうせなら書いてしまえ！となった次第です🤭是非これからも楽しみにしていてください☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろくも | 作成日時：2023年9月21日 0時
