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「ま、取り敢えずAは今日からここに住むこと。勿論、不自由はさせないよ。」
『は…?』
耳を疑う発言が飛び出てきて、確かに感じていた筈の恐怖や脳内を埋め尽くしていた数多の疑問など一瞬で抜け去り、間抜けな声が漏れた。
今、こいつは、なんて?
『住むって、あんた何言ってんの…?』
「そのままの意味だよ。どの道もう一般社会に戻るのは無理だ、ってAなら察しつくでしょ?」
『なに、あんた本当に私をここで生かすつもり…?』
馬鹿じゃないのか、いや完全に馬鹿だ。
なにが良くてこんな、特段何かが秀でてるわけでもない、明らかにお荷物でしかないような人間を生かすんだ。
申し訳ないが、健康的な生活とは程遠い日々を送っていたため身体は色気のいの字もないし、そういった経験もゼロなので性処理担当になったとしても期待には添えられないだろう。
こんな所に連れてこられた以上、確かにもう自由な生活なんてできないのだろうが、だったら尚更殺してくれとしか思わない。
私が生きていたところで何の益も生まないし、デメリットでしかないのは自明の理であるのに。
「いい子にしてたらいつか殺してあげるから、ね?」
『私は、今すぐ死にたいの』
「それじゃあスンミンの働きが無駄になる」
『知らないわよそんなの、私は助けてなんて頼んでない』
「…うーん、やっぱりA少しお馬鹿になった?」
『っ、はぁ?』
「まあ仕方ないか、あんな環境にいたら。人間の脳ってストレスで縮むらしいし…うん、Aは悪くないよ。全部Aを苦しめた奴らが悪いよね。」
チャニはペラペラと、1人納得する素振りをしながら減らず口を叩いたかと思えば、私の肩に手を置いてからスッと表情を消して、
「俺がここまでしておいて、そう簡単に君を死なせるわけないでしょ」
聞いたことのないくらい低い、私にだけ聞こえるくらいの声で、そう吐き捨てた。
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こと(プロフ) - 初めまして🙇♀️質問なのですが以前セブチのマンネのお話書いてらっしゃいましたか、? (3月25日 15時) (レス) id: 12b873ee35 (このIDを非表示/違反報告)
きびだんご(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…この作品を作ってくれてありがとうございます🫶 (10月14日 23時) (レス) id: 9efe01ec08 (このIDを非表示/違反報告)
えまのすけ - ダークな世界観ながらも皆の優しさを感じてとても好きです、、!!BC推しでなかなか小説ないのでありがたいです、更新頑張ってください…! (10月8日 1時) (レス) @page19 id: 344af6e19c (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - サメ?さん» ありがとうございます!更新を楽しみに待っていただけるようなお話にしたいと思います☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - ぱくちーさん» ありがとうございます!私もBCの話に飢えてまして、どうせなら書いてしまえ!となった次第です🤭是非これからも楽しみにしていてください☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろくも | 作成日時:2023年9月21日 0時