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本当に、これからあんな世界で生き残っていけるのか、というくらいお人好しだった。
生まれなんて、案外見かけ倒しでしかないのだと、隣で見ていてつくづくと感じる毎日だった。
まだ私の知らない一面があるのだとしても、私の中のこいつは、絶対に。
『…てか、私なんかよりあんたの方が死ぬ確率高いに決まってるでしょ』
人の心配より自分の心配しなさいよ、と軽く拳を作って心臓のあたりを叩くと、いつもなら大袈裟に痛がるフリか、Aは優しいね、なんて目を細めて笑いそうなのに、今日は違かった。
私より第一関節分大きな手で、ぎゅっと私の手を包み込む。
ぎょっとして固まっていると、チャニの真剣な顔が夕日で照らされて、
「Aの方が、心配だよ」
少し掠れた、先程よりも低い声でそんなことを言った。
「Aは俺の大事な友達で、大事な女の子なんだから。」
『は…』
「ねえ、絶対俺のいないところで勝手にいなくならないでね。自分の身は自分で守るんだよ、もしも…」
饒舌に回っていた口が、何かを言い淀むように開閉される。
『…言うなら最後まで言いなさいよ』
「いや、でも、」
『今日が最後なんでしょ』
するとどうして、とでも言いたげに両眼を見開くから、まだまだ私も侮られているみたいだ。
卒業まであと3か月というこの微妙な時期にそんな話を持ち込んできたあたりで大体は察するっての。
風が吹いて、制服のスカートが揺れた。
もうこの姿で会うことはないんだと思うと、なんだか少しだけ、名残惜しい。
忘れてしまわないように、いつでも思い出として取り出せるように、目を逸らさず、耳を澄ませた。
小さく息を吸い込む音が聞こえる。私にはない喉仏が、ゆっくりと上に上がって、元の場所に戻って、
「…誰かにAの最期を決められるくらいなら、俺に、決めさせて」
自分から姿を消すくせに、勝手な奴だ、と思った。
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こと(プロフ) - 初めまして🙇♀️質問なのですが以前セブチのマンネのお話書いてらっしゃいましたか、？ (3月25日 15時) (
レス) id: 12b873ee35 (このIDを非表示/違反報告)
きびだんご(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…この作品を作ってくれてありがとうございます🫶 (10月14日 23時) (レス) id: 9efe01ec08 (このIDを非表示/違反報告)
えまのすけ - ダークな世界観ながらも皆の優しさを感じてとても好きです、、！！BC推しでなかなか小説ないのでありがたいです、更新頑張ってください…！ (10月8日 1時) (レス) @page19 id: 344af6e19c (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - サメ?さん» ありがとうございます！更新を楽しみに待っていただけるようなお話にしたいと思います☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
しろくも(プロフ) - ぱくちーさん» ありがとうございます！私もBCの話に飢えてまして、どうせなら書いてしまえ！となった次第です🤭是非これからも楽しみにしていてください☺︎ (9月22日 17時) (レス) id: c5380ca731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろくも | 作成日時：2023年9月21日 0時
