【APH】それでも【イヴァン】 (ページ9)

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イヴァンは今、ロシアで何をしているのだろう。

私はもう中学二年生になった。

好きなことも友達もできた。夢だってある。

会いたいと思っても会えないのは辛いな。

もう二年も経つんだなと思うと、悲しさが込み上げてくる。

「イヴァンくん、会いたいよ。」

「ちょ、何言ってるのよ、A。」

あれから仲良くなった友達の舞奈が言う。

「イヴァンくんはもう居ないのよ。」

「分かってる、分かってるよ。」

それでも忘れられないのは、親友だから。

私の大好きな人だから。

「あの、Aさん。」

後ろから肩をトントンと誰かに叩かれる。

「あら、菊くん。どうしたの。」

私の新しい友達の本田菊。

違うクラスだけども。

「今日、一緒に帰りませんか。」

「え、帰りたい。」

「では教室へ迎えにいきます。」

「うん、ありがとう。」

菊はそれだけ言うと教室に入っていった。

それを見届けると、私はまたあの人のことを思い出してしまった。

イヴァン、どうしているのかな。

せめてもう一度会いたいなと思う。

「イヴァンくんのばか。」

ポツリと呟く。

会いに来てほしい。

会いたかったよって抱き締めてほしい。

なんてね。そんな話があるか。

「……好き。」

小さく呟いて、私も教室の中に入った。