好きだから、嫌いになる。 ym . in (ページ9)

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Ep.9 ページ9

山田side

今日は飲んで帰るから遅くなると連絡が入っていた

静かな家に帰って、家事をこなして、

あー、またポッケにティッシュ入れっぱなしじゃん

靴下裏返しのまんまだし、雑に脱いだ状態で入れんなっつーの

キッチンに戻って食器を洗っていると、玄関が開く音が聞こえた

「おかえりなさい、····って酒臭っ！」

「山田ぁ～、おれモテ期きたわぁ、へへっ、んー、」

「あぁもうここで寝るなって！」

グダグダに酔いつぶれて帰ってきた伊野尾さん

今にも寝そうなところを起こして、ソファまで引っ張っていく

「寝るならちゃんと着替えてくださいね」

ソファに寝転がった伊野尾さんは、ネクタイを緩めながら今日のことを楽しそうに話し始めた

「俺さぁ、タダ飲みできるっていうから行ったわけよ。そしたら、今日告白したやつ以外に6人くらいいてさぁ～。みーんな俺が好きなんだって！」

「は？なにそれ」

「髪型整えた途端告白されるはタダ飲みできるは、もう最高だわぁ～」

伊野尾さんは嬉しそうだけど、·····俺の心はぐちゃぐちゃになりそう

寝癖直せって言ったのは俺だけど、逆にそれが仇となってしまったか

「モテ期だぁ～！これからタダ飲みできるぞぉ～！」

「····もう、そいつらとは会わないでくださいよ」

「なんでだよぉ～、タダ飲みだぞ？」

だめだ、一緒に住んでるってだけでもラッキーなのに、·····抑えろ、俺

「山田ぁー、こっちきてっ」

「っ、ぉわ」

呼ばれて近づくと、寝転がった伊野尾さんに引っ張られた。

顔の距離は数センチ。伊野尾さんの息が顔にかかった。

「もしかして、山田も俺のこと好きなの？」

はぁ、だから無自覚はイヤなんだよ

「·······好きだ」

「え」

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