好きだから、嫌いになる。 ym . in (ページ7)

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Ep.7 ページ7

伊野尾side

「じゃ、先行ってきます」

「いってらー」

金もあまりないクセに、勢いで買ってしまった2冊の本

ワックスだのアイロンだの、不器用な俺にはどれも難易度高すぎなんだけど

「この寝癖を、こうやって、こぅ、んー？わかんねぇ」

暫く寝癖と格闘していると、時計の針はいつもの出勤時間より10分も進んでいた

やばいやばい、まだ全然できてないんだけど！

「···今日は諦める！」

急いで靴を履いて玄関を飛び出す

こんなんじゃ、また山田に笑われるな

＊＊

「おはようございまーす。····ね、ねぇ、山田、」

「伊野尾さん、······なんか今日可愛くないですか？」

「うわー、嬉しくないやつー」

笑われると思ってたのに、山田は俺を可愛いと言う

どこがだよ！こんな頭ボサボサのおじさん！

別のリアクションして欲しかったわー、怒るとかさー

「ボサボサじゃね？これ正解なの？」

「んー、なんかフワフワな感じで逆に可愛くなってる。これはモテますね」

「オシャレわかんねーなー」

席について仕事を始めようとした時、電話が鳴った

「·····はい、俺ですが、······はい、分かりました。すぐ行きます。」

俺宛の電話だったけど、相手は別の部署の知らない人から

ピンポイントで呼び出しって、俺なんかやばいことでもしちゃったかな

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