モブヤンキーの逆襲 tk × in

サボり上等 ページ29

伊野尾side





「·····学校行きたくない」


「いいのか、生徒会長さんよ」




駅のベンチに座りながら、たかきが買ってきてくれた水を飲む



もうすっかり泣き腫らして、目も鼻も真っ赤

こんな顔で行きたくないし、今行ったって遅刻は確定




それならば、いっそのことサボってみたい




「生徒会長だって1人の人間だもん。勉強は頭良いから困んねえし、欠席もしてないから1日くらいなら余裕。」


「なんか鼻につくな」


「もー決めた！なぁたかきー、なんかいいサボり場所連れてってー」


「俺もサボりかよ(笑)」




時刻は午前9時を過ぎたところ



1日サボるなら、色々知ってそうなこのヤンキーに連れてってもらうのが一番良いだろう

サボりの経験豊富そうだし





俺の甘えに暫く考え込むと、何か思いついたのか立ち上がった




「よし、分かった。じゃあ行くぞ」


「どこに？」


「着いてからのお楽しみだよ」






＊＊＊







たかきの後について細い道を行ったり来たり、人通りも少なくてちょっと薄暗い路地の突き当たり


この派手で豪華な造りの建物は·····、なるほど





「たかき、こういうとこ来たことあんの？」


「知りたい？」


「······いや、いい」




確かに、1日サボりたいとは思ったよ



でもさ、まさかラブホテルとは思わないじゃん？


だって俺たち一応高校生だよ？





「ほんとに行くの？」


「嫌なら帰るけど」






「····················ちょっと興味ある」


「じゃ行くぞー」






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