モブヤンキーの逆襲 tk × in

俺物語 序章 ページ3

伊野尾side






「腰痛っ····」




そう、あれは一瞬の気の迷い、というかただモブキャラにおそわれただけ


あの時抵抗し続けたらきっと俺の秘密をバラされてたし、なんだかんだであれが最善の策だった、はず





それより、生徒会長なんだから早く俺の理想の国を作らないと



主人公はもちろん俺、白馬の王子様は····





「あっ、薮せんせー！」


「おう、おはよう」


「おはようございます！」





はぁ今日もカッコイイ、朝から笑顔見られてラッキー！腰の痛みなんて吹っ飛ぶ！




俺の白馬の王子様、薮先生
卒業したら告白するって決めてる人


もちろん、生徒と先生だからいい結果を望んでる訳じゃないけど、この気持ちは言葉にしないと終わらない

もうめちゃくちゃ好き





「薮せんせ、あのっ」


「おはよー姫先輩？」


「っ！！！」





薮先生に一歩近づこうとしたら、グイッと肩に回ってきた腕、このムカつく声


思い出す昨日の事！！





「高木ー、遅刻しないなんて珍しいな」


「ふふっ、偉いでしょ」




おまえっ·····、せっかくの王子様との会話に入ってくんなよ！ほっぺもぷにぷにすんな！


スポットライトは俺ら2人に当たってんの！モブはさっさと横を通れ！





肩を動かしても、その手は退かずにむしろ力が入る


俺の方を向いたから 離せ って口パクで言ったのに、フって鼻で笑われた





「お前ら、いつの間に仲良くなったの(笑)」


「まぁー、ねぇー？」


「っ、」






違うんです、脅されてるんです！訳あって弱みを握られてるんです！

全っ然仲良くありません！



必死に目で訴えても、薮先生の顔はニコニコマークのまま





「じゃ、HR遅刻しないようにな」


「あっ」





行っちゃった、·······行っちゃったじゃん王子様！！





「マジで何、邪魔すんなよ、てか離れろ！」


「へぇー、あいつに掘られたかったんだ」


「お前には分かんないだろ、あのカッコ良さ」


「はいはいそうですねー」





やっと肩が解放されると、ひらひらと手を振って教室へ戻っていった




あのモブヤンキー、俺の恋物語を邪魔すんなっつーの





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