ギャップは振り幅が大きい程イイ in × ar

Ep.7 ページ7

伊野尾side


「はぁ〜」


いつもはすっきりした朝が迎えられるのに、今日は憂鬱だ


学校にいけば、有岡大貴が俺に駆け寄ってきて、周りの奴らは『お前らどういう関係だよ』みたいな雰囲気になって、有岡大貴は『実は俺たち付き合ってます！』みたいに堂々と言うはずだ。いや、高確率でやる。



「ああー、最悪だ」


『慧ー、遅刻するわよー』


「‥‥‥体調悪いから休む」


『全く、しっかり寝なさいよ』





休も休も。目立つぐらいなら休んだ方がマシだ






＊＊＊＊







『慧ー、学校からプリント来たわよ』


「誰が」


『確か、ありおかだいき？って子かしら』


「あぁー、わかった」


『あんた、友達いたのね(笑)』


「別に」



友達じゃなくて彼女です。なんて言えない。

いや、形としては彼女だけど、俺は有岡大貴のことを知らないし好きじゃない。

てか、俺の家知ってたのかよ。



プリントが入っている封筒を開けると、紙切れが一緒に出てきた。




「あ、これ」



丸っこい字で書かれているのは、きっと有岡大貴のLINEのID。


そっか、俺がずっと拒否ってたんだ。


まぁこの紙だって、俺がどうするか決められる。



「‥‥‥‥うーん、まぁいっか」




登録は、まだしない。


でも、捨てるのは辞めておこう




後ろに書いてあった言葉が、少し嬉しかったから。









『伊野ちゃんがいなくて寂しい(T_T)早く来て〜！』









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