第4話 ページ6
「じゃあ早速、君の事情からいこうか?」
僕も彼も、真剣な表情をし、話し始めた
「なるほど、薬ね…」
「次はオメェだぜ?」
ニヤリと言われ、ああ、と返事しようとした所で電話が鳴る
僕の携帯だ
真っ黒い
「…会話を先に聞かせると99%誤解される気がするんだけど…」
ピッ、と音を立てて通話状態にする
口に人差し指を立て、静かにしててと伝える
「もしもし?
ジン?」
その瞬間彼の目つきが一瞬で変わった
それもそのはず
何せ僕の電話相手がまさに彼をこの姿に変えた薬を飲ませた奴なのだから
視線が痛いがとりあえず会話を続ける
この状態を奴に気付かれる訳にはいかない
「報告したいこと…
もしかして薬の人体実験のこと?」
薬と言う言葉に過敏に反応する
「そういえばそろそろしたいって言ってたな…
人はどうするんだ?
なんなら俺が見つけてこようか?
下っ端の中には探そうと思えば出てくると思うぜ?
丁度いい裏切り者が」
あくまで知らないフリをする
彼は怪訝な顔
「は?もう試した?誰に?」
知っているが、声音を低くし、機嫌の急降下を相手に悟らせる
予想通り彼は困惑している
電話相手も珍しく言葉を選んでいるようだ
あのジンが困惑しているかと思うと面白い
「工藤新一に、試した?」
ただでさえ急降下していた機嫌の悪さをMAXにする
勿論声音も、本当に女なのかと言われても仕方ない程低くする
「アンタが見張れって潜入させたんでしょ?
工藤優作の息子であるあの工藤新一を
それに言ったよなぁ、あれは俺の獲物だって
例えアイツが俺らに気付いても手ぇ出すなって
工藤新一は日本の救世主って言われてんだよ?
そんな奴が突然居なくなったらどう思う?
余計俺らの存在が表にバレやすくなるんだぞ?
ア゙?何、言い訳なら聞かねぇぞ
悪いけどテメェら、暫く俺の前に顔見せんな
何か用があればメールで」
不機嫌MAXでまくしたて、一方的に電話を切る
その瞬間、ピンと張っていた緊張の糸を緩める
怖い顔で睨む彼に、へにゃりと苦笑いを向ける
「ふぅ…後は、この説明をしなければね…」
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作者名:キヨ@kiyo | 作成日時:2016年5月19日 17時