第3話 ページ5
あれから毛利ちゃんと別れ、私の家へ向かった
否、10年前の、僕の家へ
「ねぇ、お姉さ……
オメェ、どこ向かってんだ?」
お姉さんと呼ぼうとした奴をギロりと睨むと、
バレていると観念したのか素を出した
「私の…いや、僕の家さ」
「……僕…?」
そりゃ不思議にも思うだろう
今まで私だった奴が急に僕と言うんだから
「ああ、僕の家だ、私じゃなくてね」
遠回しに本来の自分と今の自分を区別して言う
「…オメェ実は二重人格なのか…?」
本気で心配された
「…そういうことにしといていいよ…」
「でっけえ家だなぁ…」
「でしょ?」
君と同じくらいだと思うけどね、と付け加える
坊やへと変わり果てた彼を僕の家へ招き入れる
すると早速、目で
何が聞きてぇんだ?何を話してぇんだ?
と聞いてくる
目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ
とりあえず痛い視線は無視し、珈琲でいいか?と聞く
「ああ、ミルクや砂糖はいらねぇ」
静かな空間に、珈琲を入れる音だけが響く
「はい、視線が痛いよ、工藤新一くん」
「つい睨んじまった、悪いな、古谷澪華さん」
2人、不敵な笑みを浮かべる
「話してくれるね?君がそうなった訳」
「勿論、僕も話すからさ」
でも、どうしても話せないこともあるから
「嘘も交えるけど」
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作者名:キヨ@kiyo | 作成日時:2016年5月19日 17時