届け(じんたん) ページ5
あなた side
( 付き合ってない )
茶色がかかったツンツンヘアー
トレードマークの縁メガネ
鼻をかすめる 甘い香り
『じんくん 』
じ「ん?」
じ「どうしたの?」
そしてこの笑顔
隣の席の藤枝仁くん
私の大好きな ヒト
『なんでもない』
じ「ええなんだよ 話してよ 〜」
『なんでもないのー』
ずっと憧れてた人だから
『じんーくーん』
じ「なあーに」
『へへ なんでもない』
じ『だからなんだよ 〜』
こうやって
じんくん って名前を呼んだら
こっちを見てくれる。
なに?って応えてくれる。
それだけでほんとにほんとに嬉しくて
毎日が幸せ 。
でも
「じんくんー」
じ「ん? どした?」
「話があるんだけど、いい?」
じ「いいよ、今?」
隣のクラスの 佐々木さん
ふわふわして いかにも女の子って感じの可愛い女の子だ。
そして じんくんを好きなことで有名な子
頬を赤らめて 上目遣いで じんくんを見る 佐々木さんの表情に 女の勘が働いた
告白...するんだ。
私が 敵う相手ではない。
わかってる。
自分が一番わかってる。
だから この 隣の席 っていう 特権が嬉しくて。
じんくんを独り占めできる時間が嬉しくて。
じんくんにとって 私は ただの クラスメート
わかってるのに
でも、
行かないで欲しい 。
私だけ見てほしい 。
きゅっ
私は 思わず じんくんの 制服の袖をつかんでしまった
じ 「 さあやちゃん ?」
じんくんの優しい声が頭上から降ってくる
『 ... 行かないで。』
自分でも聞こえないくらいの か細い声で呟いた
届いてるか届いてないかなんて もはやどうでもいい
自分の気持ちがコントロール出来なくて
恥ずかしくて たまらない
でも、裾を握る力ははぎゅっと強くなる
だって このまま じんくんを 離したら
___________ 私は きっと 後悔する
じ「ごめん。」
やっぱり 、 私の想いは 届かない...の?
じ「佐々木さん 、話って後でいいかな?」
『え?』
そう告げるじんくんを見上げた時には私の左手は
じんくんの右手に攫われて
そのままグイッと強い力で引っ張られた
駆け出す じんくんに 連れられていくだけの私
いつもと違う男らしい 背中。
どうか
どうか
___________この想いよ
届け/じんたん
終わり
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わおん! - じんたん可愛すぎますね………w (2023年1月8日 7時) (レス) id: d63bb5c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
わおん! - いや、普通にいい作品すぎる…!更新待ってます! (2023年1月8日 7時) (レス) id: d63bb5c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ルな(プロフ) - 控えめに言って最高です ✨ 更新待ってます !! (2022年8月30日 11時) (レス) @page16 id: 0c9a247f04 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭 - テオくんの本名寺島大輝(おおき)です (2020年8月31日 14時) (レス) id: 1e41210071 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野良猫のさーや | 作成日時:2019年10月16日 11時