検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:2,988 hit

63 ページ17

Aside

インターホンが鳴り、ホッとしたように莉犬は


「出てくるねー」


と言ってリビングを出て行った

ああ、明らかにホッとしてた
きっと気まずかったに違いない

私は泣くのを我慢することしか出来なくて何も言えなかった

莉犬が何も聞いてこなくてよかった


ただ、これからみんなに説明しなくちゃいけないと思うと気がさらに重くなった

私のせいだって言ったら、みんなは怒るだろうか

るぅとを返せって私を殴るだろうか、蹴るだろうか


私がこっちに来なければ、るぅとはあっちに行くこともなかっただろうな

それが分かるから、余計に辛い

私が全ての元凶だ


「Aちゃん…?」


ハッとして顔をあげれば心配したような顔が5つ

あ、もう来ちゃったんだ

なんだかあっちで私が泣いていたときを思い出すな


みんな優しかったなぁ
でも、今回ばかりは許されないよね

なのに私はみんなに優しくしてもらいたいと願ってる

ずるいわぁ
せこいなぁ


涙が目に溜まってみんなの顔が歪む


ごめんなさい、そう言おうとした時だった
背中を思い切り叩かれたのは


『痛っ』


思わず叩いた張本人、さとみを睨んだ


「おぉ。やっとAに戻った感じだな。お前が凹むなんて、らしくねーよ」

「何があったかよくわかんないけど、るぅとくんなら大丈夫っしょ!」

「泣くなや。Aちゃんが泣くとるぅとが怒るで」

「何があったか話せる?」


るぅとがいなくなったのに、みんなは優しいまま

ああ嫌だ
これからみんなの顔が怒りに変わるのが、とても怖い


『…ごめんなさい……っ』


再び俯いた私を誰かが今度は頭を撫でた


「ほらほら、いいから話して?誰もAちゃんが悪いだなんて思ってないから」

『ななもり…』


優しそうな目
そんな目で見ないでよ
許してもらえるかもなんて思いたくないんだよ
許して欲しいなんて思いたくないの

だからいっそのこと、突き放してくれ


『わかった…話す』

64→←62



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:stxxx転生物語 , stxx ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤い果実推し(プロフ) - ましろさん» えへへ〜!そう言って貰えて嬉しいです!そろそろ完結します😢 (5月19日 18時) (レス) id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - うわわ.ᐟ‪久しぶりの更新ありがとうございます😭✨このシリーズ、本当に大好きです… (5月19日 18時) (レス) id: d95368a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
赤い果実推し(プロフ) - ちゃっかり宣伝。 (5月19日 18時) (レス) @page13 id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
赤い果実推し(プロフ) - 叶乃さん» えっへへぇ〜!妄想だけで幸せになれるって幸せだよね(?)占ツク最 & 高 (2023年3月20日 19時) (レス) id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - かじつちゃーん!久しぶり!真っ赤な顔して話してる、るぅちゃんと夢主ちゃん…可愛い! (2023年3月20日 18時) (レス) @page6 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤い果実推し | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/stprlo/  
作成日時:2023年1月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。