仮面のなかの顔【stxxx】【stpr】

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夢主side

お兄ちゃん。優しくて、いつも甘えていた。


けれどいつの間にか、私の方ができることが増えた。
疲れていた時、
お兄ちゃんはヘラヘラと笑っていた。


────────────
『おにぃちゃん！えほんよんで！』

まだ字が読めない小さい時。

『お兄ちゃん！背中のボタンつけてー！』

まだ幼かった、3年生。

『お兄ちゃん、光の面倒、見ててくれないかな？』

手伝いが増えた、6年生。

輝｢うん。いいよ｣

にっこり笑ってなんでも引き受けてくれた。

でも、笑っていない時を、見たことがない。

それは、せかせかと手伝いをしていて、私が無意識に辛い時も隠して、母さんたちを喜ばせていた、

私を。


布団の上で本ばっか読んで。
写真ばっか撮ってた、

お兄ちゃんは。

────ほくそ笑んでいたからですか？────

お兄ちゃんが私の前で笑っていたのは、私が苦しんでいるのを見ていて楽しかったからなんだ。



いつの間にかマイナス思考しか
出来なくなっていた。


…ごめんなさい。

わかってるよ。



──いつの日かの縁側で──
輝｢僕は病気だからって甘えて、
Aにばっかり、無理をさせている。
なのに僕が泣いたら……ずるいよね…｣

そう言って、まだ3年生にもかかわらず、家の手伝いばかりをしている妹の、すやすやと眠っている頭を撫でながら、
涙を必死にこらえていた兄を

私は知らない。

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