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夢主side
初めてだった。こんなことは、小説でしか読んだことがない。
足元の石が濡れて、うめき声が出た。自分の声だとは思えなかった。汚すぎて。
泣きたいことを我慢したい訳では無いのに、体が我慢させようとしてくる。
泣かせて。お願い。
スッキリしたいの。
ダメだ。声をあげようとしても、うめき声のような醜い声しか出てこない。
やだやだ。気持ち悪い。声を出さないなら出すな。
そうか。私の髪が_色なのは、
私が満月の夜に生まれたからか。
そういうことか。私の眼が_色なのは、
私が特別なチカラを持っているからなんだ。
家の中をさまよっていたら、今は亡き母に入ってはならないと教えられてきた部屋の前にいた。
この部屋は両親しか入ってはいけない。
けれどもう居なくなってしまった。
別にいいよね。
何もかもが嫌になって、イライラして、疲れて。
ちょっとした、気分転換のつもりで入った。
部屋に入ると、霞んでいた頭の中が、すぅっと晴れるのを感じた。少しだけ、楽になった気がしていた。
まず目に入ってきたのは、
大量の書類。本棚。
机の上に置かれた、3つのパソコン。
いつの日か撮った、両親の写真。
近づいて手に取ると、写真が歪んで、床に染みをつくった。
ヤケになって机を漁った。
椅子にどかりと座り、引き出しを勢いよく開ける。
中には整理されたチラシ、
通帳。
パスコードが書かれたノート。
どこかのカードキー。
契約書。
そして、
【もし私が死んだら】
という言葉が出だしの母が書いたと思われる手紙。
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赤い果実推し(プロフ) - 奏さん» www (2022年6月19日 9時) (レス) id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
奏 - あーwそれはwうんw (2022年6月19日 8時) (レス) id: 3f725abd01 (このIDを非表示/違反報告)
赤い果実推し(プロフ) - www なら、すとぷりだったら?( ≖ᴗ≖)ニヤッ (2022年6月18日 22時) (レス) id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 瑠唯ちゃん可愛すぎん?瑠唯ちゃんの魅力なら50年語れるわ (2022年6月18日 22時) (レス) @page29 id: 3f725abd01 (このIDを非表示/違反報告)
赤い果実推し(プロフ) - 奏さん» まじで励みになるわ。サンキュ (2022年6月12日 22時) (レス) id: e74b3194bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤い果実推し | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/stprlo/
作成日時:2022年5月9日 18時