僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ10)

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『変に動くのはもうやめて！！もう遅いんだって！生まれた時からもう負け組で、手遅れなのわかんない！？私はもう終わりなんだって！！
せめてあんたたちは幸せになって欲しいっていう私の事気持ちを無視すんなよ！！』

言い切って肩で息をしながら顔を上げた姉ちゃんは、ビクッと何かに怯えて口を手で隠した。

『違う…違うの……。こんなこと思ってない。私はこんなこと言う子じゃないよ…。だって私良い子だもん。違うの…あっ、ごめん。傷つけたよね。これ、嘘だから気にしないでいいよ』

目の焦点が合わないまま姉ちゃんは出ていこうとする。ドアノブをつかもうとした手を、俺は掴んだ。

「傷ついてない｣

姉ちゃんはドアノブを見つめている。

「もう取り繕うとしなくていいよ。取り繕うとしないで。せめて俺らの前では素でいて欲しい」

姉ちゃんの息遣いは荒く、違う違う違うと呟いてる。

そして何の前触れもなく、急に俺の頬を叩いた。
乾いた音が響く。

『もう終わりにしよう。私は元気。大丈夫。叩いてごめんね。莉犬、大好き』

姉ちゃんはそれだけ言うとリビングを出て行った。

俺はゆっくりと自分の頬に手を当てた。

姉ちゃんが手を上げた。俺に。怒らせちゃった。どうしよう。俺がしつこいせいで、姉ちゃんを怒らせちゃった。

嫌われたかも。でも、大好きって言ってた。でも俺はきっと不良品だから姉ちゃんちゃんは俺のことが嫌い…あれ？俺は何を言って…

「莉犬。落ち着いて」

るぅとくんが俺の肩を掴んでいた。

「るぅちゃん…どうしよう。俺、嫌われたかな…」

「大丈夫だよ。姉ちゃんが莉犬のこと嫌いになるわけないよ。さっきも大好きって言ってたじゃん」

「でもあんなに怒って、叫んでる姉ちゃん見たことねぇよ。俺びっくりして動けんかったわ」

「ま、探偵ごっこは辞めないけどね」

「「ねー」」

3人はにやりと笑った。

『ああごめんなさいごめんなさい。私、莉犬に手を出した。叩いちゃった殴っちゃったこれじゃお父さんと同じだ。やっぱり親にされてたことは人にしちゃうのかな。弟に手を出しちゃったこれは虐待？
莉犬絶対泣いてる。ああどうしよう仲直り？でも話を聞いてくれなかったら？ああもうダメだ嫌われた。私の唯一の生き甲斐だったのに。みんなに嫌われちゃった。』

『…』

『でもまぁ…いっか……。あと7年だし…』