僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ9)

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俺はいつもより早く目覚めた。

昨日も寝付けなかったし夜に何度も起きた。どれもこれも、姉ちゃんを苦しめるアイツらが悪い。

…あぁ、夢のせいか目覚めが悪い。

1階に降りるとちょうど両親と姉が家を出るところだった。

「あんた遅刻したいの？さっさと準備しなさい」

「遅刻なんかして内申が落ちたらタダじゃおかないからな」

「うん」

なんちゃってー。俺休んでまーす！うぇーいお疲れえぇぇぇぇぇ！

「はよー」

「ジェル兄はよー」

ジェル兄はため息をついた。

「明日か…。実感が湧かへん」

「俺も。明後日にはもう…信じられない」

2人とも会話が続かずに無言で姉ちゃんの部屋を見つめていた。

「莉犬くーん？ジェルくーん？降りてきてー！」

「「はーい」」

なな兄は眠そうに目を擦って言った。

「俺寝不足なんだよね」

「俺もー」

「え俺もや」

「僕も…」

「「「「……。」」」」

「やっぱ心配だし、怖いよね」

なな兄の言葉に同調するようにるぅとくんが首をブンブンと縦に振った。

「どうして姉ちゃんだけが毎回苦しい思いをしなきゃいけないんだろう…」

「原因を作ったんはアイツらや」

「ホントに許せな…」

『え？どうしてみんな居るの？』

驚いてハッと振り向けば、ドアから顔を出した姉ちゃんと目が合った。

『みんな学校は？さとみところんだけ居ない…。何してるの？何が許せないの？私の話？もう私の話はやめていいんだよ？』

「なんで…？」

『大丈夫！私は元気だもん！』

姉ちゃんはにっこりと笑った。前まで通りの姉ちゃんがそこに居た。なぜ急に明るくなったのか。最後に見た時はまるで死人のようだったのに。

「本当に…大丈夫なの？」

『もちろん！だってこの姉ちゃんだよ？大丈夫に決まってるじゃん！』

嘘つき。少し痩せたくせに。今も目にクマが出来てるくせに。

だけど安心してしまうような包容力がある。

「嘘つき」

『えっ？』

「なんで嘘つくん？大丈夫じゃないくせに」

ジェル兄がちょっと怒ったように言った。

「俺たち、姉ちゃんの為になんかしたくて今動いてんねん。だから学校も休んでる。あ、校長先生に許可とったで」

『え？でも…みんなまだ学生』

「関係ないよ。だって姉ちゃんの為に僕たちは動きたいんだ。今動かなきゃ意味ないの！」

姉ちゃんは目に涙を溜めてこっちを睨んだ。

『明日が式なんだよ！？もう無理に決まってんじゃん！！』