僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ6)

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青春ページ6

。

Aside

声が出ない。

ありがとう。ご飯、美味しいよ。だけどお腹が減ってなくて食べれないんだぁ、ごめんね。

たったそれだけなのに。扉の向こうにいるのは莉犬。私の弟だと思うと声が出ない。

なんでだろう？申し訳ないから？気まずいから？悲しいから？

よくわからない。

カレーを前にしてスプーンを手に取った。
視界に入った手は震えていて、自分で自嘲した…と思ったけど出来てなかった。

1口取って口に含む。

少し辛口で美味し…くない。甘いような気がして、ごふっと口から出そうとしてしまう。

ペットボトルを掴んで急いで飲み込んだ。

その勢いで急いで食べる。食べては飲んで。食べては飲んで。ようやく半分になったとき、身体中の鳥肌が立った。

もう…なんでだろう。

『うぉぇ…ぅえっ』

吐きたくない。お腹は減っている。けど食べれない。吐き出しちゃう…。このままじゃ死んでしまう。

最近、こういうことが起こる。食べたくないわけじゃないのに、体が受け付けない。

1日2食の生活がずっとだ。

食べるのは諦めて、寝ることにした。やはり独りは心地よい。だが嫌いだ。

考え事が多くなる。独りならば寝るのが1番楽。本当は忙しいのが良いけれど。

しかし何故だろう。今日に限って寝付けない。さっきの夢が関係しているからだろうか。

さっきの夢は、高校生の時の。

「Aちゃん！今日、カラオケ行くんだけど、Aちゃんもどうかな？」

『えっとねー』

今日は父と母は出張で居ない。妹も、彼氏とお泊まり会だ。小学生の弟たちもいるが、たまには6人だけで過ごさせるのも、楽しめるだろうか。私が居ない方が、楽なんだろう。

『行けるよー！！行きたいな！』

「えっホント！？やった！いつもAちゃん、忙しそうだったから、嬉しい！みんなー！Aちゃん行けるってー！」

「えやったー！！！」

カラオケでみんなが歌っているのをニコニコとリズムを取りながら見ていた。

私も友だちとカラオケに来たかったのは事実だ。だけど、もっと純粋に、仲の良い子を作って、ストレス発散で行きたかった。今しか出来ない青春を謳歌したかったな。

「あれ？Aちゃーん？歌ってないよー？？」

「おおおぉぉっ！」

マイクを握っていた男子が、急にこちらに向けた。急すぎて驚いたし、断ろうとしたが周りも乗り気なようだ。

ここで断ったら印象が悪くなるだろう。
私はマイクを手に取った。