僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ41)

今日:61 hit、昨日:21 hit、合計:10,898 hit

8-5 ページ41

。

ジェルはまさとに殴りかかった。まさとは舌打ちし、私の服から手を抜いてジェルの拳を手のひらで押さえた。

肌に直接触れていた人肌の感覚がなくなって体の力が抜けた。

「うっ…！」

私の鼓動はどっくんどっくんと大きく波打ち、無意識のうちに自分の腕で自分を抱いていた。

まさとはジェルを突き飛ばした後、私を振り返った。私はまさとのギラギラとした目を見て、また動けなくなってしまった。

駄目だ、逃げなきゃ、逃げなければ。

「姉ちゃん！逃げて！！」

「A！」

まさとは私を抱きしめた。ガッチリと捕まって身動きも取れない。

「A。怖いものを見せてごめんね。もう行こう」

私はまさとに引きずられるようにしてソファから立ち上がった。

ジェルは突進して、私とまさとを離れさせようとしてくれた。

だけどまさとはジェルの頭を上から押さえつけ、髪を掴んで上を向かせた。

「邪魔するなよ」

睨むジェルに顔を寄せ、低く呟いた。

「その言葉そのまま返すわ。
姉ちゃんから離れろ！！！！」

まさとはジェルの言葉を最後まで聞かず、喉を掴んで持ち上げた。

『ジェルッッ！！』

ジェルは苦しそうに足をばたつかせた。
どうしたらよいのか。このままでは圧倒的不利。捕まってしまう。

「黙れ。お前には何を言ってもわからないだろうね。僕らの愛にも気づかないんだから」

愛なんてない。何を言っているのか。その狂気のせいで私は…。

ジェルは投げ飛ばされ、さとみところんの上に倒れた込んだ。

上からの衝撃と、喉を押えながら咳き込む音に2人は目を開けた。

「ジェルくん…？邪魔なんだけど……」

「ねっ、げほっ、姉ちゃん、が！！」

私が3人の方へ駆け寄ろうとすると、腕をグンッと後ろに引かれた。

「A！行くよ！」

男に腕を掴まれ、距離も取れない。この恐怖にまた体がすくんだ。まさとは強引に腕を引き、足がもつれていることも気にせず私を引きずった。

ジェルが立ち上がり、2人が上体を起こすのとまさとが私の腕を掴んだまま扉を開けるのはほぼ同時だった。

「まさとおおおぉぉ！！」

「姉ちゃん！！」

『た、助けてっ…！』

私はドアノブを掴んで3人に助けを求めた。だけどまさとは後ろから私の首に両腕を巻き付けた。

「A」

耳元に息が当たるほどの距離、自由に体が動かせないという大きな不安。何をされるかわからない恐怖。

プツンと音がして、私は意識を失った。