僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ28)

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みんなのところに戻り、けいとから聞いたことをなるべく同じように伝えた。

｢ふーん。けいとくんまで虐めるとはなかなかイカれてんね｣

｢同じ兄弟でしょ…？｣

｢父親は違うらしいけどね｣

沈黙が流れ、みんなが口を噤むと丁度アナウンスが流れた。

｢新郎新婦の準備が整いました｣

お色直しが終わったのだ。

つまり、俺らの計画の始まりっちゅうこと。緊張と不安で心臓が激しく波打つ。

最後の確認。俺はさとにいとまさとを押さえる。ころんとるぅとが周りの人から守る。そして莉犬となーくんが連れ出し係。

いける、いける。大丈夫。深呼吸しても意味は無い気がする。だけど肺を大きく広げるように息を吸った。

｢新郎新婦、入場です、！｣

アナウンスとともに扉が開いた。

姉ちゃんとまさとは腕を組んで入ってきた。

姉ちゃんはニコニコとしながら歩いてる。

姉ちゃんを見ると、また緊張で手汗が出る。俺は袖でゴシゴシと拭った。

｢よし、ジェル。俺が3つ数える。3で飛びかかるぞ｣

｢りょーかい｣

声色からさと兄も緊張してることに気がついた。

大丈夫、俺らなら、いける。1人じゃない。

｢いち…｣

手をゆっくりと開く。

｢に…｣

腰を低くして飛び掛る用意。

｢さんっ！！！！｣

拍手に包まれた会場に、さと兄の叫び声が響く。

｢うあああぁぁぁぁぁぁぁ！！｣

ほぼ勢いに任せてまさとに突っ込んだ。2人で倒れ込み、逃げられないよう腰に腕を巻きつけた。

｢はっ！？なんだお前っ…！！離れろっ！！！｣

｢姉ちゃんっ！逃げろ！｣

さと兄が驚いたまま固まる姉ちゃんを押した。

するとまさとが俺の脇腹を肘で強く打ち付けてきて、ほんの一瞬怯んでしまった。

｢Aっ！｣

俺を蹴り飛ばして姉ちゃんの手首を掴んだ。姉ちゃんの目に恐怖の色が浮かぶ。

『え、あっ……』

｢触んなストーカー！！｣

さと兄はまさとの腕をひねり揚げて床に押し倒した。俺も慌てて駆け寄って足を押さえつける。

｢姉ちゃんっ！｣

莉犬となーくんが姉ちゃんの両手首を掴み、ドアに向かって走り出した。

『どういう…』

｢いいの！何でもいいから逃げよう！？｣

｢おいぃっ！A！！逃げるなぁぁぁぁ！｣

さと兄が叫び散らかすまさとの口を塞いだ。

｢黙れカス！｣

3人があと5メートルで出口というところでやっと周りが動き出した。

｢何してるお前ら！Aさんは兄ちゃんの婚約者だぞ！？｣