僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ24)

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案内された通りにホールへ足を踏み入れた。りいこちゃんと一旦別れて辺りを見回すと、まだ来ていない人が多く、僕はすぐに挨拶に回っている両親を発見できた。

それは向こうも同じようで、すぐに血相を変えた父親にさと兄が廊下に連れ出された。

僕たちも慌てて追いかけた。

「離せよ！」

人気のないところまで行くと、さと兄を壁に叩きつけた。さと兄は床に尻もちを着いたが、下から睨みつけた。

「おい！どういうことだ！！なんでお前らがいるんだ！！」

「うるっさいなぁ。別に家族だから問題ないだろ」

「お前らは血が繋がっていないんだから家族じゃない！」

父親は子供のように地団駄を踏んだ。

「戸籍上家族ですけど」

「違う！！！」

父親が拳を振り上げた。さと兄も驚いたように目を見開く。僕はとっさに父親の腕を掴んだ。

「やめて」

「離せっ！お前も出来損ないのくせに出しゃばるなぁぁぁ！！！」

「ああもう！」

そこでジェル兄が飛び出してきた。

「あんな、今日は姉ちゃんの結婚式やで？そんなカッカせんといて。ええの？もう始まる時間やけど」

ジェル兄に言われて頭が冷えたのか、父親はフンッというと僕の足を踏みつけてからホールへ向かっていった。

「痛いなぁ」

「るぅとくん大丈夫？」

「うん。これくらいなら平気。それより僕たちも早く行こうよ」

「そうだね」

「新郎新婦のご入場です」

豪華な音楽と共に扉が開かれる。

大きな拍手を浴びながら、2人は歩いてきた。

嬉しそうに鼻の下を伸ばしたアイツと、俯きがちな姉ちゃん。うっすら笑みを浮かべているけどあれは心からの微笑みなのか？

もう僕にはわからないよ。

僕は泣きそうになりながら小さく手を叩き続けた。

そこから色んな人のスピーチがあったけど、正直覚えていない。

だけどケーキ入刀の時、姉ちゃんの腰に当てるアイツの手が気色悪くて。あーんをする時も、写真を撮る時も、気色悪かった。

「ムービーを流します」

ふとそんな声が耳に入って顔を上げると、姉ちゃんの顔がドアップで映し出されていた。