僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ23)

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「ちっ。お前らなんで知ってんだよ」

「結婚式の準備してるの見ちゃったからね」

ころ兄が答えると、大きく舌打ちした父親が、1番近くにいた莉犬を殴ろうとした。

「っと」

靴を履こうとしていた莉犬は父親の方を見ることも無く姿勢を低くして避けた。

「もう。辞めてよね危ないから」

「黙れ！お前らを乗せる車なんてないからな！！！」

そう言うと父親は姉ちゃんの手首を掴んだ。

『痛いっ！』

「行くぞA！！」

『わ、わかってるよ』

姉ちゃんは転びそうになりながら着いていく。そんな2人を慌てて母親と姉が着いていく。

姉ちゃんは車に押し込まれる直前こっちを見た。

特に助けて欲しいとか、悲しそうな表情はしてなかった。かといって諦めているような表情でもない。

ただ。ただ、ちょっと気になったから振り返ってみた。くらいの軽い感じだった。

それがちょっとだけ、寂しかったり…。

勢いよく走り出した車を見送る僕の肩にさと兄が手を置いた。

「さて、じゃありいこちゃんに連絡するか」

「もう公園にいるって。行こうか！」

そう、僕たちが父親たちに置いていかれるなんて想定内。だからりいこちゃんの車に乗せてもらうのだ。

「みんなっ！おはよう！」

りいこちゃんがサングラス片手に大きく手を振っていた。

「よしっ！みんな乗ったよね？じゃあ、新しい未来へ向けてさぁ行くぞー！！」

頼もしいその背中に僕は以前の姉ちゃんの姿を重ねた。

「ここが…会場？」

結婚式に参加するのは初めてだけど、こんなに大きな会場だとは思わなかった…！

駐車場から見える大きな建物と、てっぺんには小さくはためく旗。美しい緑を集めた庭園。憎らしいくらい綺麗な青空。

こんなシチュエーションじゃなかったら結婚式会場まで足取りは軽いはずだったのに。

「るぅとくん。これからだね！絶対に姉ちゃんを守ろうね！！」

俯いていた僕に莉犬が僕の顔をのぞき込むように笑いかけてきた。

僕も釣られて笑う。

「うん…！」