僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ22)

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るぅとside

アラームの音で飛び起きた。

「僕昨日セットしたっけ…」

スマホはなな兄のものだった。
時刻は7時。そうだ、今日は結婚式。

「みんな起きて！！もう7時！！！」

僕の大声でのそのそと起き上がって、

「結婚式」

というワードで目が覚めたようだった。

「今日だね。頑張らなきゃ」

独り言のように莉犬はごちたけど、本当はみんな同じことを思ってるはず。
だって顔に出てるし。

「あれ？りいこちゃんは？」

「ころんは寝てたけど、りいこちゃんは、夜中のうちに帰ったで」

「え嘘！見送れなかった！！」

「ころんの寝顔撮ってたぞ」

「えぇ！？恥ずかしい！！！」

僕は盛り上がってる5人を尻目に自分の部屋に戻って準備を始めた。

別に、イライラしてるわけじゃない。こんな日なのに笑っていることに腹を立てているわじゃない。

だって無理やりテンションを上げているの、知ってるし。
だけど僕がそういうテンションを作れないだけ。

ああ、嫌だなぁ。失敗したらどうしよう。

ため息をつきながらドアを開けると、姉ちゃんがいた。

「っ、姉ちゃん…」

『るぅと……。』

姉ちゃんは僕の元へゆっくりと歩くと頭を撫でた。

『情けないお姉ちゃんでごめんね。るぅとも、みんなも大好きだよ』

「ぼ、僕も大好き」

『じゃあね。今日は久しぶりのoffでしょ？ゆっくり休んでね、バイバイ』

最後に微笑んでリビングへ降りていった。

そう、本当なら僕は結婚式があることを知らない。だけど調べたんだ。姉ちゃんのために。最後だなんて言わせないからね。

ガチャリ、とドアを開けた父親に僕は声をかけた。

「ねぇ、置いていかないでよ」

「！？！？」

明らかに驚いたようだった。

「なんのことだ？」

父親はとぼけて見せた。だから僕も、とぼけて見せた。

「えっ？結婚式に行くんでしょ？僕たちも行くけど」

反応したのはかなこだった。

「なんであんたが知ってんのよ！お姉ちゃん喋った！？」

例のごとく沸騰中のかなこ。

『違う。私言ってない。なんで知ってるの？』

怖いくらいに冷静な姉ちゃん。背筋がゾクリとしたけど僕はしっかり答えた。

「大事な姉ちゃんの結婚式、絶対に行かなきゃだから」

ドタバタと階段をかけおりる音が場違いに響いた。

「あっ、るぅとくんごめん遅くなった！もうみんな揃ったよ！」

「うん！じゃあ行こう！」