40話 ページ4
みんなが一斉に私を見た。
私は震える手でスマホを拾う。
莉「A?どうしたの?」
ジ「なんか嫌なツイートでもあったんか?」
私は声を出そうとしても空気を吐く音しか聞こえなかった。
「あ、既読ついた。やっと見てくれたんだね」
「ねぇ、返事して?」
「一緒に喋ろう?」
息を吸うタイミングを忘れて大きく咳き込んだ。
怖い。
る「大丈夫だから、落ち着こう?僕らはここにいるよ」
るぅとくんがスマホを持っていない方の手を握ってくれた。私はそのるぅとくんの手に私のスマホを乗せ、画面を見るよう促した。
こ「見せてー」
私は自分の体を抱きしめて机に突っ伏した。
みんなは怪訝そうな顔をしてスマホを覗き込んだ。
な「何これ」
莉「ねぇ、まだメッセージが送られてくるよ…?」
さ「ねぇ、これ何。前からあったの?」
私は突っ伏したまま首を横に振った。
『うぅん。知らない…誰かわからない……。こんなの初めて…』
顔を見ずとも、雰囲気でみんなが怒っているのがわかる。
こ「誰だよこいつ。きも」
ジ「仮にAのことが好きだとして、好きな子を怖がらせて何がしたいんや」
な「A、大丈夫だよ。Aは1人じゃないからね」
誰かが私を後ろから抱きしめた。
暖かくて、自分の周りに優しい人がいることが証明されているみたいで、安心した。
さ「無理すんなよ。ちゃんと守るから」
耳元で低い声がした。
さとみくんだ。
私は小さく頷いてから目を閉じた。
る「これ送ってきてるの誰なんだろう」
こ「この写真って今日のじゃない?この髪飾りとか今つけてるし。てことは今日Aとすれ違ったってことじゃない?」
ジ「すれ違うかは置いといて、この近くに住んでる可能性が高いと思うで」
莉「…まだ送られてくるんだけど」
さ「ダルすぎだろホントに」
な「もういっそのこと返信してみる?」
こ「あーね。開き直る?w」
さ「ま、反応見て、だな」
な「じゃあ、Aが起きてからやってみよう」
何か話していたようだけど、私は眠くて話の内容を知ることはできなかった。
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作者名:依譜 、赤い果実推し x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yenai41224/
作成日時:2023年4月1日 0時