「生きていた」って笑顔で吠えて

^ ページ47

+






「ごちそうさまでした」




放課後、俺の家に及川さんと岩泉さんが来て、夕食を摂ってふたりはそう言った



『お粗末様でした』



及「やっぱりサンチューのご飯は美味しいね」



『及川さん、口の周りに付いてる』


岩「汚ねぇな」



及「あ、ありがとサンチュー。岩ちゃんは汚いって言わないで」


及川さんはティッシュで口の周りを拭いた









食事で使った食器類を洗って片していると、ふたりも手伝いにきてくれた




及「サンチュー、この箸はどこ？」




『そこの引き出しのところ。


岩泉さん、この皿棚の二段目に置ける？』




岩「おう」




ふたりの協力のおかげで、いつもより早く片付けが終わりそうな終わりがけの頃



及「ねぇ、サンチュー」



『なに？』



及「どうして…俺たちに話してくれたの？」




及川さんは質問を投げ掛けてきた





『…まぁ、あれだけ質問攻めされれば、言わざるを得ない…というか。


それに、負けたって思ったからかな。



暗い話してすみません』




申し訳なさげに笑いながら俺が言うと



岩「謝るなよ。悪いことしてねんだから」




及「そうだよ、謝ることない。


サンチューが話してくれるのは嬉しいことなんだから



それに敬語が外れたのも、ね」


と岩泉さんと及川さんは言う



『ありがとう』



俺は今までやっていた作り笑いや無理やり作っていた笑みではなく、心からの笑顔を作った








+





及「お邪魔しました〜」


岩「また明日な」



『帰り気をつけてね。また明日』



ふたりは帰っていった

俺はふたりを見送り、リビングに戻って先ほど食事をした位置に再び腰を下ろした

そして思い出していた

学校で俺が話し終えたときのことを。







______+

^→←-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す