「生きていた」って笑顔で吠えて

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翌朝


俺は陽の眩しさと、電気の明るさで目を覚ました。



『んっ…』



彩香、電気消さないで寝たな、と考えながら体を起こす。


横を見ると、彩香が床で眠っていた。

俺は床に降り、彩香の横にしゃがんだ。



『彩香ー、なんもかけないで寝ると風邪引くぞー』



彩香は、こたえない



『熟睡か。さーいーかー』



体を揺すった。

彩香は動かない、力なく揺れるだけ。



『彩香、いい加減にしないと………。さ、彩香？』


彩香の口元や鼻に手をかざした。

彩香は息をしていない。



俺は胸に耳をあて、心音を聴いた。



なにも、聴こえない。




『なぁ彩香…月島と山口とまたバレーするんだろ…？』



彩香の脈はナイ。



『俺と鬼ごっこ…すんだろ？』


彩香は、死んだ。



『なァ彩香！！』



俺はそう叫んだあと、立ち上がり、そして彩香をおぶって走り出した。









ようやくわかった。


昨日来るのが遅かったのは、“イタズラして怒られた”からじゃない。

発作でも起きてしまったのだろう。


そこできっと悟ったんだ。


“自分はもう…”


来たとき顔色が悪かったのは気のせいなんかじゃなかった。

別荘に来るのを最後にする、あれは入院するからじゃない。

彩香の言ってた夢が過去形だったのも…。




俺はそんなことを考えながら、必死に涙をこらえて走った。


別荘から本宅までは少し遠い。


普段なら電波の届くところまで行って電話をかけて迎えに来てもらう。

だが今は待ってなんていられない。







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