「生きていた」って笑顔で吠えて

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授業と授業の間の時間、次が移動教室だったため道具を持って教室に向かう





その途中で、






「ねぇねぇ山中くん」



後ろから声をかけられた




振り返るとそこには同じクラスの女子が立っている




『えと…なんでしょう？』





その女子のクラスが同じことは分かるが、名前は全く覚えていない
きっと今まで話したことないんじゃないか？
あっても1回とか…

そんな女子が、なんの用なんだろう



「山中くんって、及川さんと友達なの？」



…及川さん？
何故及川さん？




「それとも山中くんってバレー部だっけ？」





友達ではないし、バレー部でもない

じゃあ…関係はなんなのだろうか


及川さんは昨日 友達以下かもしれないけど知り合い以上であると思ってる と言ってたな


うーん、そうだな…なんて答えようか…


及川さんは 友達以下、知り合い以上 と言ってくれたけど、俺の中では






『及川さんとは


知り合い未満、顔見知り以上


…ですかね』







「どういうこと？」



女子の頭の上には「？」が並んでいるように見える


どういうこと、と聞かれても…
なんと説明すればいいのか…



「友達じゃないの？」



『友達、ではないですね』



「でもよく及川さん教室に来て山中くんと話してるじゃん」


話してるといえば話してるだけど、
内容はいつも主に勧誘とかだしな…

“友達”とするような会話ではないよな



うーん、と考えていると、


「ま、いいや」


と話を切られた

いいなら聞くなよ、と思ったり思わなかったり



「じゃ本題ね。



及川さんってさ…」




女子が先ほどより真面目な顔になった


『(きっと真面目な話をされるんだな)』




「及川さんってさ









今彼女とかいんの？」





…ん？？



『え、か、彼女？ですか？』



「そう、彼女。



そういう話しないの？」




『いや…今までしたことないですね…』




「なーんだ、そうなんだ」



女子の真面目な表情は つまらない、と言いたげな表情に変わり



「ありがとね。じゃね」



そう言って去っていった




真面目な話かと思ったら彼女がいるのかどうかの話…

なにをそんなに真面目な顔をする必要があったのか





『女子ってわかんねーや』






時間がギリギリになっていたので教室へ急いだ




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