運命の人。*Hiroomi.T*

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「だからって戻ってきてくれない！
離婚届出された私の気持ちが分かる？
私が聞きたいわよ！本当に私のこと好きだった？」



「好きでしたよ。奥さんの話を1番幸せそうにするし
別れたくないって泣くの
なのにあなたが手放したんじゃないですか……」



「ねぇ別れて！臣を返して！
離れてもやっぱり好きなの！臣じゃなきゃダメなの！」



なんで彼があんなに苦しんでた時にそれを
言ってあげないの？


「お願い、、返して……」

「それを決めるのは彼自身ですから。
奥さんの元に戻りたいなら私は身を引くし
私を選んでくれるならそれを受け入れます」



私を選んでくれる自信なんて
これぽっちもない


奥さん泣きたいのは私の方



「ちょっと待っててください」


家族連れが多くて
騒がしかったから外に出て電話をかける


「もしもし？Aちゃん？
Aちゃんからの電話初めてだな、嬉しい
どうした？」



初めてだね

でも、最初で最後かも




「仕事終わった？」
明るい声を出す

「うん、会いたいの？」


嬉しそうな明るい声が聞こえる


「うん、会いたい。来れる？」
「すぐ行く」



「カフェの近くのファミレスに来て、分かる？」

「分かる、15分くらいで行ける
待ってて」


「気を付けてきてね」


席に戻ると落ち着いたらしい奥さんが
外をぼっと眺めていた


「ね、Aさん」

「なんですか？」


「私が不倫しなければ臣はずっと私の旦那さんだった？」

「そうですね。彼はあなたに振り向いて欲しくて
私に不倫を持ちかけました
きっとあなたが好きと言えば彼は笑顔で
戻ってきてくれたのに、、、」


本当になんで？なんで不倫なんかしたの？

離婚した今は手遅れなのかな、、、

今ならあなたを見てくれる
私は奥さんの元に戻ってもいい思うよ？

私のことは気にしないで
あなたの幸せが私の幸せだから


でも、また泣かせてね？


「言った、好きって
でも遅かったみたい……臣はあなたが好きだからって
大学の時に臣から告白してくれて
同じ企業に入って切磋琢磨してきたの
あなたのいるカフェにさえ行かなければ……」


私が悪いの？

私が彼の幸せを奪ったの？



そろそろ10分経つ


「私帰ります、真美さんはここに残ってください
では、、、」


「臣を返してくれる？」


「彼が戻りたいなら私はそれでいいと思います」


店員さんにコーヒー代ふたつ分払って
彼に会う前に帰りたくて



さっさと出てきた




彼に会わずに最寄りの駅まで来た

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