運命の人。*Hiroomi.T*

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「改めて聞くけどホントに結婚してくれないの？」




「じゃあ私も聞くけど、本当に私のこと好き？」



「もちろん」




ちゃんと言葉にしてよ……

あなたから1度も"好き"なんて言われてない




私には言わせたのに



「あ、バツ1は嫌とか、、」

「そういう訳じゃない」

「じゃあなんで？
結婚するには俺はなんか不足してる？」


「特にしてない」


「尚更なんで？」


「プロポーズ嬉しかった」

「うん、」

「でも、少し考える時間が欲しい、、です」


「いい方向に考えてくれる？」

「うん、分かった」


もっと私を引き寄せて
痛いくらい抱きしめる



「断られても離す気ないけど……どうしよっか」


私だって離して欲しくないけど
本当に奥さんはいいの？


私があんなに幸せそうなあなたの笑顔
作れるの？

所詮私は契約相手でしかないのに


「明日はAちゃん午後出勤でしょ、
このまま寝ちゃおう？」

「うん、、、」




後ろから包むように抱きしめられて
幸福感にも包まれる


少し重い腕をつーっとなぞって

大きい手を繋ぐ




契約が終わっても一緒にいられる嬉しさ


あんなに想ってた奥さんじゃなくて
私を選んでくれた嬉しさ



嬉しい。嬉しいけど、不安でもいっぱいなの



明日も仕事なのに全然寝れない



あれ、、やだ、、

嬉しい気持ちも不安な気持ちも混ざった
涙がほっぺたを伝う



好きだけじゃ選んじゃいけない気がして



彼が好きと言わないなら
私への想いは彼の思い過ごしなんじゃないかって



そんなこと考えちゃうの




好き。大好き。



彼からこの言葉が聞けなかったら
結婚は受け入れない



そうしよう


簡単でしょ、
奥さんには好きっていう人なんだもん



私に向けて好きと言ってくれないなら
彼の勘違い


大きく深呼吸して
もう1度目を瞑る





「んっ、、あ、おはよう」

「おはよ、眠いな」


「うん、、仕事面倒だな〜
あなたは？仕事じゃないの？」


「俺も午後から」


そうだ、この人私のシフト知ってるんだった


「んー、もう少し寝よう？」

「お腹空いた」


「チェックアウト終わったら軽く食べに行こうか」


「うん、」


「抱きしめさせて」
「えー、どうしようかな」

「Aちゃん、やだ、来て」

「分かった、はい、ぎゅう」



おはようのキスねって
清々しい朝に似合わないキス



「苦しいよ」

「契約終わっても側にいてくれるの
嬉しくて、、もう1回していい？」

「いいよ」

「やった、」




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